モブサイコ

モブサイコ100・最終話。暴走するモブ、襲い掛かる爪の幹部。こんな中に割って入った師匠であり、単なるおっさんの師匠であればどうなってもおかしないンであるが…そうだね、この人は強力な「無敵のヘボキャラ」という属性を持っているのだね。無論ヘボってのは小物詐欺師的社会倫理であったり超能力を持たないその資質であったりという面においてで、モブたちを根っこんとこでは守ってしょーもない理屈の大人もどきどもをぶんなぐるという、そんな側面においては実に頼りになるおっさんである。「なんかいつものあの人だ…」という感想が的確で、いい。

にしても、あの悪役っぽいコスチュームにちゃんと言及してたのは、この手のコメディではありがちとは言え「このタイミングで言うか」ってのが効果的でした。自分でデザインしといて冷静になって「これちょっとねェな…」とか思ったんだろうな。

ラスト、2期に繋がりそうな次ボスをちょろっと見せてシメ。「間もなく帰る」とかメタなこと言わせちゃってあざといね。しかしまたもや井上和彦のラスボスですな。こういう役似合うようになったねえ…。てっきり関俊彦が(細やんみたいに)2役やるかなとか思ったけど、和彦のおっさんなら貫目もあろう。

あとラストに実におまけっぽいおまけ付いてた。原画にONEの名前があったからあのパートだろうか。よう動くところなんかは普通にアニメータでしょうけど。

●総評。ワンパンマンで名を売った作者の2作目が早々にアニメ化ってことで、まあ誰もが二匹目のドジョウ戦略と思ったとこだろうけど、フタ開けてみればなんかうまいこと差別化を図りつつエンタメにもなってて「うーん、こりゃワシの見識不足でしたな」と思いました。ワンパンマンアニメを支持した層がまず期待するのはあの華やかなアクション、気合の入った作画であり、それにちゃんと答えつつもちょいシリアス味を利かせたスジで目新しさも採る。ストーリィも、意外とと言ってはすごく失礼だが、ちゃんと次回を気にさせるような構成と配分になっててよろしい。

まあなんのかんの言いつつメインは上で書いた作画よね。亀田祥倫の作画ディレクションがエかったってのもあるだろうが、まず地力のあるアニメータを大量投入してるしねえ。毎度毎度、きっちりと「お、ちょっとまってもっかい見たい」と思うようなシーンをぶっこんできてんのはエライと思う。いや、衒いもなく素でおもろかったっすよ。

個人的には師匠の櫻井とエクボの大塚、このベテランどもの力の抜けた演技がハマっててすごく良かった。もっとこういう役やればいいなと思う。それを考えた上でも関俊彦の起用は謎だったけどな! なんだあの贅沢な使い方!

てことで、まあ2期もあるだろうし、たのしみにしておこう。ワンパンマンも2期発表されたしね、ってあれは同業他社のライバルコンテンツだけどさ。