過去作品の未来世界における過去趣味

●道を「藤原とうふ店」のロゴ入ってる車が走ってた。いにしゃるでぃーですよね。ワシは車もあの作品もそれほど詳しくないんだが、あの車種のいかにも80年代な、サシで引いたような直線構成のデザインは好きだ。あの頃はいかにも今風なデザインだったけど、今や曲面主体のデザイン全盛。昔の所謂「流線型」とも違う、精妙でどこか生物的なラインが主流だからねえ。コンピュータのサポートがなきゃこういうのはムリであろうな。

思い出したのは攻殻機動隊の初代映画版で、トグサが乗ってた直線的で角ランプなデザインの車。トグサのちょっとレトロ好きな嗜好が出てるみたいな言葉が資料集に書いてあって、当時は「なるほどそういうギミックね」と思いつつも当然ながらピンとは来なかったんだけど、いやあ…確かに。

今見たら「うん、ちょっとレトロね」って思うわ。映画が95年だから、もう20年前。そうかあ…もうそんな…ねえ…。自分の人生のスパンで「未来を描いた作品が過去になっている」ってのはそこそこあるが、劇中の時制が現実の時制に割と合致してるってのを実体験するってのは割と珍しいかもしれない。ワシの個人史としてね。