蟲師

蟲師 続章・14話。人と人とを結ぶ精神的なつながり、澪。あるいは危機を救いあるいは心の安寧となるその水路だけんど、それを頼りすぎると抜け出せなくなってしまう。根城にしている蟲がいるとなると尚更であり…っちうお話。心と体の弱いお嬢さんが姉やへの思いを断ち切れない、という状況を見て「あ、これは絶対ダメなパターンだ」と思ったけど何とかなりそうでよかったね! ひと段落ついたあとの「はーーーい」ってな受け答え一つでふわっと軽い視聴感を出せてるってのは上手い。

水ってのはどうしても無意識のメタファーにもなるのだけれど、精神的・物理的双方の舞台に水路をセッティングし、その中でずうっと物語を進めてんのでいつにも増して夢っぽい雰囲気があった気がする。蟲の影響を強く受けて流されてゆく最中の「どの枝にも手が届きそうで届かない」って感覚に妙なリアリティ(?)がある。水路の霧越しに見える鈍色がかった風景とか、水面のゆるやかな波紋とかね。なんつーか、無駄を削ぎ落とした贅沢さがよろしいな。

頼られ姉さんのスミさんにそのまんま島本須美。そらまあこの包容力なら頼っちゃうかもなあってなキャラではあります。危なく共依存になりそうで、でもちゃんと一線を引く強さは須美ねーさんのキャライメージらしいわな。んでゆらさん役の越川詩織さんって存じ上げないなあと思って検索したら、なんと島本須美の娘さんかいな。こないだの古川登志夫夫妻といい、こういうキャスティング方針なんでしょうな。