残響のテロル

残響のテロル・10話。原爆と共に逃走に成功したナインは、何故かそのまま警察に出頭する。これはハイヴに対する攻勢であろうが、一時的に倒れてしまいその分アドバンテージを失ったハイヴは強引な手段に出ることで追いつこうとする。無茶も無茶、テメエの組織を切り捨ててまでも「ナインは渡さない」というその一念にて追いすがるハイヴ。彼女の命は既に限界を超えている…。

彼らデザイナーズチャイルドを生んだ首魁である間宮、現状況の単独たる対立者のハイヴ。どちらにあっても、既にこの現世における役割はほぼ尽きかけている存在となってしまっており、やはり現実的な存在が倒されてスッキリ完了! というには程遠い…今回全編を通してのどんよりとした曇り空のような収束地点が見えている。ハイヴによる最後の妨害は、しかしナインのデッドマンスイッチたる原爆を起動させるに至った、ように見えるけれども…さて、原典の「太陽を盗んだ男」そのままでも芸がなかろう。ラスト、いかなるひねりを入れてくるかってとこですかね。

「戦後の歪み」を体現し、そのまま妄執のみ残して朽ちかけているような男・間宮に森山周一郎。かつてのタフガイ声がすっかりジジイ声になっちまってんのが妙にリアルで、いささか物悲しくあります。80やもんね。