蟲師

蟲師 続章・8話。凪いだ海に困る海の男たちであるが、イブキさんが一つ口笛を吹けばたちまち風が吹く。彼にとって風を扱うことはお茶の子サイサイ。人間関係もそんなけ単純だったら良かったのに、残念ながらそうはいかなくて…っちうお話。本作セミレギュラーの化野先生再登場、相変わらず蟲能力はカラキシで調子が良くてとぼけたおっさんであり、この人が出てくると途端に画面のユルさがマシマシになることだなあ。いや、エエキャラです。

今回の話のメインモチーフはアレやね、夜笛吹くと蛇が来る、っちうお子様向けの警句やろね。口笛によって「何か良くないことが起こる」というギンコの予言は的中するのだが、イブキさんはその「良くないこと」を逆に自分の昏い部分のために使おうとする。当然、ギンコはそういう行動に対しエエ顔はしない。あるがまま、という属性である蟲を恣意的に扱うってのは非常に難しいことだ。…結局イブキさんは、蟲の能力をあくまで風を利用するということのみにとどめることを選択したようで。彼にとって最後の夜の口笛が、文字通り家を吹っ飛ばしたってのは象徴的である。彼にとっての家庭はすでにそこには無い。高価な装飾品とともに、木の上に残されたままである。

今回は白い鳥と黒い蛇、対照的だがどっちも群れで動き回る蟲の作画が毎度の如くすんげえバカ労力ですんげえことでした。体を蛇状の蟲まみれにしたギンコが蟲よけのタバコを一服したら、蟲たちが一斉にぞわぞわ去ってゆくあの絵とかもう…。こんなんやってるからデキが遅れちゃうんだよ! バカチン!