スペースダンディ

スペース☆ダンディ・9話。謎の植物惑星にてダンディが経験するちょいとした幻想譚。奇妙な隕石の影響で知性と行動力を持った植物たちの世界が、その隕石を排除することで元に戻ってゆくという…お話の骨子からすると結構真っ当なSFであり、その上で原案やらデザインやらコンテやらを湯浅組おなじみのウニョンさんが強烈な個性でもって仕上げてんので、かなり異色の作品になっている…ってったってこのアニメ、異色な話がほとんどなんですがね。

いやあ、それにしてもこの、画面からあふれ出てくるドラッギーな雰囲気はなかなかのものだ。ファンタスティックプラネットとか、あの辺の異国的作品の雰囲気というか。あと主線を明色の色トレス(に類するデジタル処理でしょうけど)でやるとふわっとしたファンタジィさが出ますねえ。ま、ウニョンさんの出自と経歴自体が異国そのものなんだけど。

ゲスト宇宙人役、ドクターに麦人・その娘に金田朋子。特に金朋先生の「娘」さんが面白くて、パッと見ィのデザインとしては別段かわいらしくもない、というよりあまりに抽象的過ぎてかわいいもかわいくないもねェんだけど、金朋先生の声と画面上の動きによってどんどんと「あ、なんかいいかも」とか思わされてしまうのがスゲエなあというか。ラスト、ドクターと娘が元の植物に戻る辺りで案の定グッと来てしまったワシはエエお客さんである。…何やろね、この雰囲気は。オールディスっつーかバラードっつーか。うん、なんか面白い余韻の回だったな。