厠ミステリ

●職場にてトイレを使う。そのフロアに一つだけあるそのトイレは身障者兼用であり、かなり余裕を持った設計なのでいささか落ち着かない。ワシ閉所愛好癖があるからなあ。広いトイレってなんかこう、無防備感が…。

ふと気づくと壁の一部に染みや汚れがある。そんな大したものでもないが、どうも割と長期間にわたって積層してきた埃のようだ。ここのビルのオーナーさんの「掃除はキッチリやりますよ! ええ美観一番!」てな指向からするとちょっと不思議。清掃の人もこんなん見逃すとも思えないんだけど…。

理由はすぐに判った。これ、ちょうどトイレの引き戸の後っ側部分の壁なんだ。こうしてトイレに入ってドア閉めると露出するが、清掃さんが作業中にドアを開放するとこの部分はドア自体で隠れてしまう。それで長年清掃の手が届かなかった、っちうことか。

昔なんぞの推理クイズでありましたっけねえ。夜間の部屋にての殺人、その後壁や床の血痕は完全に拭き取ったはずなのに殺人が露見してしまう。その理由とは壁の照明スイッチ…パチンパチンとヤる古いタイプのスイッチね。照明オンの時露出してる部分に血が飛び散り、昼間照明オフの時にはそこが隠れてしまったので拭き取りそこね…という。ま、そのクイズでも「今じゃルミノール反応で血痕拭き取ろうとばれます」とありましたが。つーかワシ、あの本でルミノール反応って覚えたんだっけか。どうでもいいね。