有頂天家族

●新番組・有頂天家族森見登美彦原作のアニメ第二弾ですか。ワシはこの人に関しては前述の四畳半神話体系アニメしか知らんので、自然それとの比較対象にもなってくるのだが…やはり京都が舞台で言葉に拠って経つ話という趣向は共通しているようだんな。現実の世界を舞台としてありえない世界を語るという、彼岸と此岸の結節点の上で踊るようなタイプの作品はワシも好きである。…今検索したら作者の傾向をマジックリアリズムとして表記してはった。あー、そうやなあ。それが一番シックリ来る表現か。

ええ本編。一匹の狸を主人公にして語られる何やワケの判らん物語。その彼をヘソとして、元は壮健であったらしき天狗の師匠・奔放で妖艶でなんか怖い人間のお嬢さんというメイン二者との関係性を語り、さあどっから話転がしたろかいな、って所でシメ。何かデカいイヴェントが起こるわけでもないんだけど、作品世界と各キャラの立場を提示するって意味においてソツのない1話ではあるな。何よりその、あーこら人が飛んで腰イワした天狗が居てオス狸が女子高生に化けるような空間だわ、というのが納得できる雰囲気を成立させてる段階で充分。パッと見ィで青臭い青年に見えて、その実酒もタバコもヤって享楽に肯定的で妙にスノビッシュってな矢三郎さんがエエ主人公すね。てェか櫻井さん、今期出番多いな。

てことで、うんこれはワシ的に好きなジャンルの話っぽい感じ。これならだらだら続いてってもいいし、何か大きなスジがあってもいいし、とにかくこのノリで行ってくれるならあまり文句もない。キャラデザ原案に久米田センセってのが割と不思議ではあるが、これはそのうち慣れるやろ。ま、継続視聴してみよう。