酢豚とその衣についての何か

●酢豚を作る。野菜は買い置きのニンジンとタマネギで済ますことにして、肉とレトルト調味料だけ買ってくる。箱のレシピ見ながら作り出したのだが、肉を揚げるときに溶き卵を絡めなさいとあるじゃないの。ふうむ。今ウチにあるのが温泉玉子一つだけなんだよね。

まあ酒と塩胡椒と片栗粉だけでも構わないとは思うんだけども、なんかこう、使えるもんならいっぺん使ってみたろかいなという機運が高まってきたのでそうしてみる。…おや、案外と揚げ衣っぽくなるもんだな。よし揚げよう。

そしたらね。いやワシ酢豚作るとき毎度々々似たようなこと思うんだけど、それにしてもああこの豚の唐揚げそのまんま喰ったほうが旨そうだぞという機運がね。今回は温泉玉子の衣がなんか効果的だったのか、酢豚の具として使うにはちょっとその、色味も表面テクスチャも旨そう過ぎでね。何だろう、事前にちょっとだけ熱の加わった卵の黄身が、エエ具合の揚がり色を出してたのだろうか。あるいは単なる調理過程の偶然か。

脳内に酢豚のおいしさを反復再生し、なんとか機運を酢豚方面に切って事なきを得たが、いやあ実際危ないところだった。レトルト調味料がムダのおあずけになるところだった。ああ、酢豚旨かったです。衣がシッカリしてて…ううん、やっぱ酢豚の具としては主張しすぎだったかなあ。いいけどさ。