中二病/ガルパン

中二病でも恋がしたい!・11話。姉が去り母が戻る。今までの生活様式を改めようと「リハビリ」に苦難するリッカちゃんである。言葉遣いに迷い部屋の整理に戸惑うその姿は、どうも痛々しいものがある。その周囲も周囲で、どうにも納得のいかないデコモリさんとあと一言の声がかけられないユータさんと、そしてやっぱしみんなのおかーさんであるところのモリサマーさんだねえ。このあとなんか、くみん先輩に持ってかれそうな雰囲気もあるけど、まあ。

電車に乗ってリッカちゃんが去った後(まるで今生の別れのようだ)、ホーム上でのデコモリとユータのやりとりがこれまた痛々しい。ユータさんの「自分がそういうのは無責任だ」ってのも判るけれども、多分リッカちゃんとしてはちゃんと言ってほしいのだ。現在を肯定するために過去を否定しないでほしいのだ。…現実を直視させないためにかつてのお家の跡を見せなかった姉と、どちらが正しい行為なのだろうか。

ホーム上の二人の意識、「そんなこと判ってる」ってのがうん、ねえ。そらその通りだけれども。オタ趣味でも中二病でもいいが、自然にやらなくなってしまうのはまだいいんだ。寂しいことだしヘタレなことだけど、それはテメエ自身の問題だから。しかし周囲の環境により「卒業」させられるってのは辛いことで。割り箸を曲がったケースに無理やり入れるようなものでね。ヘタすると、折れるよな。

姉が去ってゆく朝の、色あせて彩度の低い風景がよかった。このシーンにはぐっと心象を出しておいて、そのあとは割と普通の色彩/日常という全体の手綱の取り方とかね。あと今回デコモリさんは二度泣くんだけど、ホーム上二度目の泣き顔シーンは流石の京アニって感じで、芝居のタメもたっぷりで見所になってましたっすな。

ガールズ&パンツァー・9話。追い詰められて絶体絶命、しかし三時間の猶予は大洗にとって僥倖ではあろう。結局履帯破損も砲塔旋回不能も修理できちゃったしね。あんまし皆の士気が上がんないので「何とかせよ」と言われていきなしあんこう踊りやらかしだす(すんげえエエ声!)西住どのとか、浮かれてコサックダンス踊りだすプラウダとか、相変わらずちょっとネジの緩んだ小ネタが水島監督らしいな。…「ゆーきのしんぐんこおりをふんで」を聞くと、八甲田よりもあ〜る思い出すのはワシ的にしょうがない。

さて対プラウダ戦車戦の決着。今回はもう、プラウダ側の圧倒的な一発の火力描写に尽きるわな。はっきり言って大洗相手にはオーヴァーキルにも程があるのだが、直撃弾喰らって文字通り回転する38(t)とか至近距離に着弾してカートゥーンのように煽られる八九式とか、ああいうの見るとなんか興奮してしまいます。コエーよね。この辺の戦車CGは非常にダイナミックでよろしい。そら提供の一枚絵に採用もされるよ。

会長が本腰入れて大活躍のシーン、確かに多対一でなんとかしようとするならああいう肉薄距離での引っ掻き回ししかないわな。クルスクやわクルスク。ソ連的には立場が逆だけど。それと今回の舞台が夜間かつ降雪中なので視界が悪く、相手にまず射撃させてマズルフラッシュから位置を割り出すという戦法が有効でした、っちうのも良いイイワケですね。

最後はどっちが勝った? でヒキだけど、まあ大洗でしょうねそら。にしてもあのエンディング、まだ本編に影も形も無いキャラと戦車とは思い切ったな。オープニングで一カット出てくるキャラはまだしも、だが。あの戦車は日本っぽいけど何だ? 検索してみるに三式中戦車だろうか。あーあと、パンフロでお世話になったプロペラソリが出てきてちょいと嬉しかったですよ。