急いで座る

●運転免許のないワシにとって自転車は移動の手段として欠かせない。自転車は行動範囲を広げてくれる装置であると同時に、行動範囲を限定する要因でもある。原付でも四輪でもいいが、発動機付きの装置を利用すれば自転車よりももっと遠くまで足を延ばすことが出来るからだ。もしそう望むとすれば、ワシは公共交通機関なりタクシーなりに頼らねばならない。ましかし、人間ってのはテメエの入っている容器の形に合わせて自我と意識を形作るもんである。てなワケで、地方都市在住という利点もあり、今んとこそれほどの不便は感じていない。

問題はトシとってからだよな、とか思ったりしたこともある。体力が衰えて自転車乗れなくなったらどうすんだ、そういう時こそ自動車免許を持ってないことを後悔するんじゃないか…とかね。でもよくよく考えてみると、「自転車には乗れないが自動車の運転は可能である」ってな期間がそない長いとも思えないのだった。じゃあ別にいいか、とまあそんな感じで免許を取得するつもりもない。怠惰だねえ。

シュバイツァーさんだったか、アフリカ活動中に自転車で走り回ってたら現地の人に「白人は怠け者だ、急ぎ走っている時にもイスに座っている」と言われたのは。ワシはまた別の意味での怠け者ですけどね、ってシュヴァイツァーさんが怠け者だという意味ではありませんが。