ラグランジェ/峰不二子/人類は衰退しました

輪廻のラグランジェ season2・10話。いきなり宇宙艦隊戦であって地上の鴨川はエライコッチャ、唐突なこの事態にランとムギナミは立ち上がる。後のことは後、今はまず行動しなければ! という二人の心意気はやっぱ、まどかさんの薫陶によるものだろうなあ。ま、そのまどかさんは既に着替えてスタンバイ済みなんですけどね。流石は我らの「考える前に動く」師匠である。エエのか? エエんだろうまあ。

何やら暴走気味のディセルマインに対し、ヴィラジュリオは単身ツッコんでってその真意を図ろうとするんですが、その場に三バカ兄さんやらまどかたち三人娘やらが一堂に会する、というラスト舞台っぽいセッティングはベタながらよろしいな。イゾさんとかしっかりと「勘違いすんなよこれは云々」という定番台詞も吐いてくれますしね。されどヴィラ兄は出撃前に結構ヤバ目のフラグ台詞を立ててきてたのがワザしたのか、精神的にイってしまったディセ兄に踏み殺されて(!)しまう。…あー、ここまで描写するのかあ。こら思い切った展開だ。にしてもあの凶相は以前にも見た悪々ゥい笑みを思い出すところですな。やっぱしモイドさんの企みによるものなのでしょうか。

ラスト近しってことで、そんなショッキング展開とかロボアクションとか大盛りの回である。サーヴィスしてるなってとこでしょうか。ロボアクションと言えば、ディセ兄のメカはロボ形態でもCGと手描きの両方を使っている不思議な演出である。ウォクスが飛行:CGでロボ:手描きと描き分けられてるのは、それらのキャラクタ…「人格」の差異だろうかとか思うんだけど、そのデンで言うならばディセ兄のロボットはそれだけ非人格的な雰囲気だってことなのかしら。さて。

LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜・9話。今回の「お宝」は人間絵画、エキセントリックすぎる芸術家によってその人生そのものを「絵画」として構築されてしまった女の子。体中の刺青は美しいが、人生を奪われた結果彼女には人間らしい成長がほぼ欠落してしまっている。…不二子は彼女を奪わねば…いや、殺さねばならない。同じく人生を奪われた自分のような存在を開放するために…。

うむ、やっぱし不二子ちゃんは先週のあの事件以来ちょっとおかしくなっちゃってるようでんな。今までの彼女から匂い立っていた妖艶な余裕が全く感じられず、ギスギスとした攻撃性が前面に出てきている。今回の人間絵画さんは直接不二子さんの過去に関わる存在ではないようだが、来週以降も不二子さんは出自を求めてふらついてゆくのだろうか。

舞台である熱海(みたいな温泉街)の描写が古臭くてエエねえ。見世物小屋の描写は通り一遍のもので特に掘り下げたりはしてないけれど、今時よくこの手のネタが通ったなとは思う。…ワシ、いっぺんだけ見たなあ。何かこう、往時の風俗保護っぽい観点から細々生き残らせてもらってる、っちう雰囲気だったけど。鼻から口に蛇通してずーりずーりする人、見ましたよ。もっともっとオバハンやったですけどね。

人類は衰退しました・11話。何やら人待ち風情の主人公さんの回想、それは「学舎」に居た頃の自分。ヒネクレててシニカルで俗っぽいけど、別段暗さなどは感じさせない現在の主人公さんと異なり、学生の頃の彼女はいささか…そうね、殻に閉じこもりがちな様子が伺える。更にというかだからというか、周囲の環境は彼女に対して厳しい。有体に言って、イジメに遭っていた頃のお話、である。

ふうむ。なかなか心折られる展開であり、相応に重たい語り起こしであるなあ。妖精さんが出てきてからはいくらか軽みもでてくるのだけれど…。外観も精神も明らかに人類とは異質、いわば人間のカリカチュアのような妖精さんとの交流が、何故か主人公に人間性を与えているという皮肉。あと、「古くなって自分の行動を変えられない」ハウスキーパーロボットもそうやねえ。…それまで突っ張っていた彼女がある日とうとう崩れ落ち、「独りはいやです! …ああ、とうとう言語化してしまった」と呟くシーンはなかなか心にクるものがあった。その言語化/外部化を受けて、妖精さんは何をしたのだろう。

いかにもアヤシゲなゴルディロックス(金髪巻き毛)さんがなんか面白い。表面的に見れば何も悪辣なことをしていないんだけど、見てるワシらからすれば(主人公と同じく)コイツが黒幕なんじゃねーかなーと思えてしまう絶妙な胡散臭さが上手いなあ。ここまでアヤシゲだと逆に無辜の人なんじゃないかなとか思ってたら、実は凄まじい依存体質の押しかけ厨でしたヨ、という展開がこれまた斜め上である。ああ…イタイ人だったんだ…。こうなるとあの「お茶会」メンツもイロイロと怪しいことであるなあ。うん、以下次号ってことで。