氷菓/もやしもん/夏雪

氷菓15話。カンヤ祭は大賑わいに進行するが、その背後で粛々と物品紛失ミステリも続いている。紛失現場に残された犯行カードにより、どうやらあいうえお順でモノが無くなってることは判明するのだが、さてその理由と犯人はいかに、っちうお話。これは何てんでしょうね、見立て殺人じゃなくて見立て泥棒? そして奉太郎さんは「このあいうえお順の盗難は何を隠蔽しようとしているのか」っちう観点から考え始めているようだが…その辺、ミステリ好きである里志さんや谷くんこそ最初に感づくべきところやろね。その里志さんはまたぞろ、何か知らん心の暗部をチラホラと表出しているようだが、それは次回以降か。

んでもってやっぱし、マヤカさんは相変わらずギスギスした漫研ライフを送っているのである。あの陰口満載な部活シーンだけでワシ胃が悪くなるよ。つーか辞めちゃいそうになるよ。男子部員が居るにもかかわらず影薄いとこ見ると、尻にしかれっぱなしなんだろうなあ。まやかさんと対立している先輩にも事情があるようだが、どんなもんかねえ。その事情に振り回される方はたまったもんじゃねェよなあ。

ちたんださんは女帝に教わった人心操縦術を早速使ってみるのだが、あんまし成功してないというかやはりバカかわいい。BGMが不穏な雰囲気なのが更にバカっちくてよろしい。それとあと、女帝といえば奇術研の発表会シーン。せいとかいちょや総務いいんちょたち二年生が並んで会話してるとこの、何ともいえない先輩っぽさがエエよなあ。中学高校辺りの「一年違うだけでめちゃオトナ」っちう雰囲気がよう出てたというか。

…あーあと、先週終わったかと思ってたわらしべシリーズはまだ続いてました。こういうちまちま続くネタって、割と好きだ。

もやしもん・4話。意を決して自分の能力を明かすタダヤスさんであるが、葉月さんには冗談めかして流されてしまう、のである。これを「ラブラブ告白をごめんなさいされた」と解釈する先輩コンビは下世話だが、でも案外当たらずと雖も遠からずって感じではあるよね。ま、タダヤスオクテやしィ。

問題はまた別にあり、ってことで長谷川研究員の退学届がいろいろと面倒を巻き起こしそうなのである。おうちに拘束されてどーもスッキリしない長谷川さんであるが、この状況をどうしたものやら。樹教授の「この件は僕があずかる」発言は空恐ろしくも頼もしいのではあるが、それではいそうですかと手をこまねいてるような野郎どもじゃねェだろうしなあ。今んとこは事情を知らないのでのんびりしたものではありますが。

再登場の龍太ボン、大川透の自然なヤーらしさが満点過ぎますな。後半心折れちゃう辺りの演技が今から楽しみ。あと封筒ギンナン、旨いよね。ワシも好き。だけどあんなけ喰ったら肌荒れするよ。あとかぶれるよ。

夏雪ランデブー・4話。ロッカさんと亮介さんのうれしはずかし花やしきデート、の巻。アツシ幽霊さんが居ない所でならコッチのもんじゃい、と何かにつけて前へ前へと積極的にゆく亮介さんであるが、あとちょっと…もう少し、ロッカさんの心の内側には入りきれない。「あの笑顔」を見せて欲しいという目標だけは達成するものの、その代償は「あなたとのセックスは無理だよォ」の一言でして…うん、まあ、ね。皮肉だがコミカルでもある、そんな一時。

ロッカさんのノリがイマイチなのは、花やしきという場所が幽霊ダンナとの思い出の地であるからに他ならない。おかげで亮介さんがあれやこれやするたびに、亮介さんの見ているのとは別の意味での「ダンナの亡霊」を幻視せずにはおれないロッカさんなのである。これはまあ、亮介さんのセッティングが悪かった/運も無かったわよね。帰ってきたら帰ってきたでとうとうダンナに体を乗っ取られちゃうし、どうしてものやら、である。

中盤、ゴンドラの中。溝があるってワケじゃないが、デートにしてはどうも一押しが足らない二人のシーン。横位置のカットでは二人の真ん中にズドンと柱があって画面を分断している。んでもって亮介さんが推して参るとばかりに攻めに転ずると、画面中央の柱を越えて二人が同じ「枠」に入るワケだ。判りやすくて効果的だねえ。あと体乗っ取りのシーンでは、中村さんの何となァく福山さんっぽい雰囲気の演技が上手かった。こういうの、役者としてはチャレンジしがいがあるんでしょうね。