宇宙海賊/宇宙兄弟

モーレツ宇宙海賊・13話。さしあたっての大立ち回りは一息つき、季節は巡って新学期。裏の海賊家業に対する表の顔として、マリカさんは学生生活もおろそかにでけんのでありまして。そしてその舞台にもやってくる、グリューエルとグリュンヒルデのお姫様姉妹…というね。ま、いうなればエピソード間の繋ぎ回、次週以降へ向けての仕込みはちょこちょこ出てくるものの、基本的には割とおとなしい話運びの回ですな。


一国…いや一星系から直々に表彰を受けたこともあり、一躍ガッコの人気者になってるマリカさん。ではあるが正直、「あんな騒ぎじゃ済まねーんじゃなかろか」とか思ったりもしたが、精鋭のそろうあの学園にとっては「その程度」でもあるんだろうなあ。その中にあっても逸材が集まってる風情なのがヨット部のようではあるけれど。できればあの面々にはもっと活躍して欲しい所ではあります。


グリューエルさんはかなり積極的にマリカさんに懐いているご様子である。なんつーか、ちょっと百合方面に一歩踏み出してるような雰囲気もあったりしますね。チアキちゃんにマミちゃんにグリュちゃんに、とヨメの多い男前マリカさんですな。…あとあの「ポトフ」はどう見てもおでんのような気がする。魚介類や肉や野菜をスープストックで煮込んだ料理…うん、すんません、やっぱポトフでした。


●新番組・宇宙兄弟。図らずも宇宙アニメ連続ですな。原作はチラ見したことある程度で詳細は知らず。確かそろそろ実写映画にもなるんでしたっけ。えー、てことで来るべき近未来…つっても十年ほど先ですが、宇宙飛行士に向けてどんどん進んで行きたいご兄弟、いやもう弟はそうなってんので少々コンプレックスを抱えつつその後を追う兄をメインに据えての物語。


綿密な取材と肩に力の抜けた話運び、流行りのものではないが個性的で記憶に残る絵柄作風…とまあ、ものすごく安定した「モーニング」らしい作品だなあってのが第一印象。この第1話は語り起こしとしてソツなくまとめてるのではあるが、ちょーっとだけ「原作の要請に引きずられてるかな」という感じはした。部分的に性急というか、「語りたいことが先に控えてんのにもどかしいなあ」という雰囲気が漏れでてるというか。ま、その辺はストーリィが軌道に乗り出してからの判断にもなりましょうけれど。


監督は渡辺歩…ははあ、シンエイで鳴らした御仁のようですな。作画に薮野浩二引っ張ってきてんのがなんか面白いが、ご自身の特徴的な作風は少し抑え目にしてる印象。協力として当然ながらJAXAは出てくるのだが、NASAにもちゃあんと協力を取り付けてんのが地味にスゲエね。NASAもこういうの、イケんねや。


さて。上で書いたとおり「安定感」はかなりあるので、それが楽しさにつながるかマンネリになるかが分かれ目かなあ。ま、少し付き合ってみましょうか。