Fate/ベン・トー/イカ娘/ガンダムAGE

Fate/Zero・4話。セイバーVSランサーでまるまる1話、というアクションオリエンテッドなお話。長短の双槍を自在に操り、その上槍それぞれに特殊能力がついてるとなればなかなか手ごわいランサーさん。ゲイ・ジャルグとゲイ・ボー…ふむ、ケルトの騎士団オディナか。フィン・マックールじゃなくてその部下というか因縁の人物、ってとこがなんかおもろいな。んでマスターは以前チラッとだけ出てきたイヤミ魔術先生。いかにも小物っぽい言動行動だが、さて。


Aパートも凝ったアクション作画だったのだが、ほな本気だすわなちうて槍の封印といてからのBパートはそれを凌駕する勢いの絵になってて割と感服。槍の一振りでごっそりと土くれがめくりあがる辺り、あーこれはまともな強さじゃないわいと一発で判らせてくれる作画なワケで。気合入ってんなあ。


真正面にして正々堂々な二人のバトルをとりまく、裏技を是とする人たちの小競り合いも粛々と。キリツグさんとコトミネさんは、そういうアンダーグラウンド的な風情が何となく似てますわな。…ってとこで更なる傍観者が濫入、これがアレキサンダーのおっさんだからもう無茶に程がある。あんなけ名のりを避けてますよという戦い描写のあとに、いきなり自分の名前を謳いあげちゃうんだもんねえ。死なすには惜しいだの勝利してなお葬らぬだの、他の人が言えば甘いと取られる台詞だが、このおっさんが言うなら「ま、まあそうかもな」と思わせるだけの押し出しがある。そこまでキッチリとキャラを構築している脚本と演出がスゲエ、ってことでもありましょうな。


ベン・トー・3話。今回のゲスト敵キャラは剣道部の「猟犬」たち。弱者の不利を組織力と物量で埋め合わせる彼らに、佐藤さんたちはスカウトを受ける。…まその、ハッキリ言ってやってることは先週の「荒らし」とかとあんましかわらないのであって、一匹狼を是とする主人公たちのノリとは相容れないのは明白だわなあ。


てことで、仲間とはならないと決断するまで1話分はちょっと長すぎたかなとか思った。勝負の前提条件において価値観(美学でもいいが)が異なるってのはどうしたってあるけれど、そういうのはスッパリとシンプルに提示した方が良いのではなかろうか。ある程度時間を使って語られると「いや別に相手の方にも理はあるし」とか要らん考えが出てきてしまう。体育会系的思想はワシもあんま好きじゃないけど、ハラすかせた部員たちにメシ喰わせてやる先輩、というありようとしては非難されることでもない。別に存在を全否定しているわけじゃないし、ラストに顧問の先生を出してくることでその辺も緩和はしているんだけどね。


…これ、主人公のキャラがよくあるラノベテンプレに近いからいろいろもやもや感じるのだろうかなとか思った。普遍的な作品としては必要なことなんだろうけど…。これがね、初っ端から/あるいは成長によって一種の狂気をはらんでて、強引にネタを推し進めるようなキャラだと押し切られちゃいそうな気がする。まいいや。


侵略!?イカ娘・2話。Aパートは夏休の登校日、イカちゃんが小学校の統率者となる話。相変わらずお子さんたちにはウケの良い、どうもマジに相手のしにくいイカちゃんのパーソナリティが好もしい。ちょっとワルっぽい隣のクラスのガキ様にまで自然と同情と接待心を起こさせる、ってのはホンモノである。イカちゃんかわいいしさ。


Bパートは海の家れもん繁盛記。複数のエピソードを組み合わせたパターンがちょっと裏目に出てるかな。いや破綻してるとかじゃなく、割とおもろかったオチを取っ払ってたのが残念でさ、ってのは原作読みの戯言である。南風さんとこの娘さんの「控えめメイド服キャラにメリケンサック」というワケの判んないいでたちは、もうちょっとメインにすえても良かったかなと。


Cパートは体重変換話。これはまあ、今さら明かされたイカちゃんの超テクノロジーよりも、おねーちゃんのダイエット的弱点のかいらしさのお話だよね。かいらしいよね。遠隔手刀で体重計を両断しちゃうけどね。


…あ、やっぱりエンディングには毎回の追加ネタがあるようだな。よしよし、これも楽しみに。


機動戦士ガンダムAGE・3話。コロニーを落として大量殺戮を狙うかと思えば、ここぞというところでアッサリと引いてゆくMS怪獣さん。確かにその目的がよく判らないが、何でしょうね、人々に進化圧のような試練のようなものをもたらそうとしているのだろうか。何とか一機くらい落として鹵獲して、解析でもしてみたいところであるな。案外中にでっかいおっさんが入ってるかもしれないし。マクロスか。


そしてもう一つの謎、ユリンお嬢さん。改造人間なのか超能力者か、状況の先読みができるという便利なお人である。敵勢力の存在と何らかの関わりがあったりするんですかね。実はUEに縁のある者だとか。マクロスか。


障害を乗り越えてぎりぎりのタイミングで脱出に成功、ってのは定番ながら盛り上げるには良いシチュエーションである。コロニーのねじれ崩壊の絵はなかなかのスペクタクルだったけど、ワシの好みからするともうちょっとじっくりねっとり崩壊美を見せて欲しかったなーちょっと残念だなーとか思ったり。ソーラーパネルがわらわらとデブリを出しつつ応力で歪んでゆくさまとか、すげえ破壊フェチっぽくて良かっただけにね。映像作りのコストも掛かるだろうしそんなことばっかはできんだろうけれど。


…あとはまあ司令無双ですねえ。あのクライマックスでカミカゼジジイアタックするというアグレッシブな展開になるとはちょっと予期できなかった。これでもかとばかりに退場の花道を作ってもらえた司令さんは幸せものだす。こういう「それまでの生活の喪失」を象徴するキャラ/イヴェントってのは区切りとしてどうしても要るだろうしね。