クロワーゼ

●新番組・異国迷路のクロワーゼ。詳細は知らず。舞台は19世紀のパリ、その賑やかな雰囲気からひときわ浮いたポックリの足音。田中秀幸声の鷹揚気味なじいさんに連れられて単身花の都にやってきたちんまいジャポネーゼ・ユネさんが主人公である。オスカーじいさんの伝手で若き細工師クロードさんの工房にて奉公するに至る、このユネさんを見て見て見たおしましょう、っちうお話のようですな。


作りとしておもしろいなと思ったのは、このユネさんは主役とは言いながら役割的に「異物」なのよね。むしろ主役的に感情を発して行動するのはクロードさんの方。彼にとっての(ちょいとくたびれてもいる)日常に、心ざわつかせつつ打ち込まれる楔がユネさんなのだ。ふうむ、これはちと面白い。かたや新しい環境こなた新しい人を得て、お互いに変化してゆく彼らの様相と成長が物語の幹となりそうだ。


てことで、地味でゆるいテンポの雰囲気アニメとして受け取った。こっちもそのつもりでゆるゆるとお付き合いしてみよう。…まァ先のことは判らんですけどね。あーその、かなり象徴化されたユネさんの人形的なかわいったらしさは「気合入ってんなあ」と感心したことはちゃんと述べておきます。ちと浮き気味なほどにかわいさの記号性が高いような気もするが、クロードさんたちからみた「異質なジャポネ」の表現としてはアリですわな。


監督の安田賢司氏は寡聞にして存じ上げなかったが、演出畑ではかなり経歴の豊富なお方のようで。んでもって佐藤順一のおっさんがシリーズ構成と…音響監督なの? すきねえサトジュンもねえ。うん、まあ、継続してみよう。