荒川/四畳半/さらい屋五葉/ヒーローマン

荒川アンダー ザ ブリッジ・6話。冒頭話は星の人との音楽対決。このコミュニティの多くの人はリクさんに対し「ボケとしての超越的立場」を持っているのだけれど、星さんはほぼ唯一その優位性を持たない、あるいはその要素が薄い人である。何かと突っかかってきて仲は悪いんだけど、逆に言えば似たような土俵で争ってくれてるってことでもあるんだよな。口ばっかでいちいちダメフラグ立てて薄っぺらい。うん、お似合いじゃないか。ねえ。そう言われたらお互いにヤでしょうけどさ。


後半は仮面兄弟との対話をキッカケとして、リクさんがヒモ生活から抜け出そうになる話。なるほど、教師としての仕事ってのはアリかもしれん。ツッコミってのはなんか先生っぽい体質でもあるしね。…とか言いつつ、次週になったら冒頭いきなりポシャってるかもしれませんけど。ちうかその可能性の方が高いと思いますけど。まあ。


仮面兄弟に対して無理無体な水泳教授をしているニノさんの、ぱつんぱつんのスク水姿が(制作側の目論見どおり)非常にアレでナニでした。毎度ながら彼女の行動パターンは台無しにする方向に向かうのだけれど、それでも衰えないフェチい絵面がよござんす。てか、どっから調達してきたのやら。


四畳半神話大系・3話。今回のリスタートは自転車クラブ。今までにもましてガチンコの体育会系サークルにて、当然と言えば当然過ぎるほどの情けない行状を見せる情けない主人公の人がもう、情けない。小津さんの暗躍と策略は今までに輪をかけて深化してはいるのだが、そんなもん無くても勝手にダメスパイラルに巻き込まれてってる主人公さんなの、ではあるが。


…ははあ。少なくとも今までの所を見るだに、主人公と明石さんが(どんなシロモノなのかはよう判らんにせよ)ある程度の縁あって関わってゆくという流れを、小津さんがあの手この手でチャラにせんとする、という…つまり、小津さんの「私なりの愛情」ってのはどうやらホンマモンである。理由は判らないが、小津さんの主人公に対する次元を超えた執着は非常に強い。明石さんの意図せざる救いの手は、あるいは主人公の人の救難の声は、それをさらに超えることができたりするのだろうか! な! …っちう構造なのですかね。ま、そう見せといてぜーんぜんハズレでもちっとも不思議じゃないですが。まあ。


それにしても毎度ながらいい絵だなあ。ラストシーケンスの鳥人間大失敗の迫力もよかったけど、個人的にはごぼごぼとこぼれ流れてゆく缶ビールとセミの抜け殻の作画がなんか良かった。


さらい屋 五葉・4話。マサさんは未だに逡巡している。さらい屋は義賊ではない、今は只の金目当ての賊である、という言葉。上辺も底も全く知れないヤイチという男。いかに仕送りに困窮しているとは言え、こんな胡散臭ェ野郎どもに組して良いはずはあるまい。…しかしマサさんはヤイチさんに尋ねて曰く、本当に金の為にやっているのだろうか、と。自分の素性ではなく人柄が知りたいと言われたヤイチさんは、腰を据えて付き合おうやないか、と見つめ返すのでありました。というお話。


…いやーまあ、「四畳半」と連続して視聴するとそのテンポ差に軽く酔いそうになるよ。進みがユルい! 無論その雰囲気醸成と濃密さに裏打ちされてのゆったりテンポではあるのだが、4話かけて展開らしい展開はちょぼちょぼレベルですもんねえ。マサさんという優柔男なりゃこその作劇ではあるわな。女郎屋の先生という似合わん仕事におたおたしているマサさんが実直でよろしいけどね。もうちょっとシャッキリせんかい! とは思うぞ。五葉の報酬を前に「…それを受け取って郷里に送って良いのでござろうか」とヤイチさん相手につぶやいちゃうマサさん、ではあるのだけどねえ。


にしても女郎屋での振舞いを見るだに、マサさんとヤイチさんと足して二で割ったくらいでちょうどエエのと違うか、とか思ってたら…江戸患い、ははあ脚気か。そういやここは白米がいっぱいあるとか言うてたなあ。わざわざこんなネタ出してくるってことは、用心棒仕事でマサさんにピンチでも降りかかるか? 


●HEROMAN・7話。改造人間ウィルとニックである。これまでウィルの方は(潤沢にとは言えないが)その人となりや背景を描かれてきたが、陶山ニックさんは記号的腰巾着の域を出ることが無かった。今回はそのニックさんのお話、と言っていいっすねえ。弱っちいので他者への阿諛追従で生きてきた彼にとって、スクラッグの力は純粋な「自由」に映ったワケだ。そして暴れ戦いウィルに投げ飛ばされる…んーん、輝いてるぜニックさん。アンタはどちらかと言うと立場的にジョーイさんに近かったのだ。ヒーローマンの玩具を捨てるか拾うか、ちうのがその分岐の象徴であったのだろうな。


一方のお上情勢、米国は大怪球の鹵獲を狙っている。提案者・Dr.ミナミのすンげえ外見と松本保典声のおかげで邪道っぽいプランに見えるけど、それが可能ならば真っ当な手ではあるよな。敵のデータを手に入れることもできるワケですし。まァジョーイ側の「鉄球を阻止する」という行動と対立したり何だり、てな流れになるんでしょうけどね。…しかしホンマ、さっくさく話が進むよなあ。次回は石塚ゴゴールさんとの一騎打ちでしょ? 第一回戦だろうけど、早いよねえ。


今回はアクションシーンも然りながら、敵本拠地から逃げる際の崩壊絵がなかなかのスペクタクルで宜しかった。あと毎度ながらジョーイさんかわいい。地下隧道にて小声での「…ひーろーまん、あたーく」とかかわいすぎる。うん、ちゃんとヒーローマンに護ってもらうように。いろいろと。