化物語/ザムド

化物語・10話。蛇のお嬢さん話の続き、その呪いは如何にして解かれるのか…あるいは解かれないのか。てことで恒例のキャラ専用OPですが、これまたキャッチィでかわいらしい歌と絵である。にしてもホンマ、花澤香菜の人は見ン事「こういう立ち位置」になっちゃったなー。…いや、あまり文句ありませんよ? うん。


本編は蛇の儀式に取り憑かれたセンゴクさんを助けるアララギさんとかの話。そして毎度ながらアララギさんは、見てしまったこと全てに対して責任と義務(か、そうだと思っているもの)を果たそうとする人である。見捨てることによって立つ瀬もある…のだろうか。その人の分際を超えることに手を出すは、ただの無責任なのだろうか。


…って、今回のアークはこれで終わり? ちょっと消化不良であって、どうもまだ終わってないような雰囲気だけれどね。あと、赤コマ黒コマ動画番号なし、の図が多用されてたのはちと気になったり。「見る」というテーマなればこその隠蔽演出ってこともあるだろうが、「作画間に合わなかった?」とか思ってしまった。


亡念のザムド・23話。何やらクライマックスっぽい戦場にみんな集まってくる趣である。船長とライギョは皇帝を弑するために、兵隊さんは「北」を制圧するために、清川博士はミドリさんを「再び生かす」ために、ザンバニ号は船長を助けるために、そしてアキユキとハルは…何をするためだろう。


流石に大詰め近い状況だけあって、各々のパートやキャラに見所の多い構成となってましたな。腰の重いザンバニ号クルーを立ち上がらせる「郵便船の意義」やナキアミさんの「誰でも拾ってくる性癖」の理由もいいけれど、ここはやっぱ船長/ライギョパートだろうなあ。ここまで真正面な「ここは俺に任せて先に行け!」は久々に見た。酸いも甘いも噛み分けて海千山千の経験積んだ船長が、命捧げるライギョに対して縋りつくように叫ぶ台詞が「あたしはただの女なんだ!」ですよ。全く状況にそぐわないし受け答えにもなっていない、そんな台詞が一番強い。うん、ダイアローグの練り方がなかなか上手いなあ。


そして出てくる皇帝の姿…って、古谷徹のイケメン声はあんなラスボスクリーチャーですか。ミドリさんもメランジ漬けの航法士(映画版)みたいになってるし、最後は怪獣大戦争か? …ハルさんはミドリさんを救えるのかしらん。さて。


亡念のザムド・24話、二階建てで連続放映。承前、なんかオーバーマンみたいなラスボス皇帝はラピュタみたいな光の箭を放って周囲を「救いの夜」と変える。なんかエライこっちゃなあっちう中、兵器と化したミドリさんもハルとアキユキの前に現れる。その姿は卵。その言葉は過去。穏やかながら退行的な台詞とは裏腹にメチャクチャな攻撃を振りまくミドリさんに、ハルとアキユキとナキアミは各々の「役割」でもって救いの手を差し伸べるのでした…という。


言葉と技でもって、ミドリさんとアキユキとをまとめて慰撫するナキアミさんが男前ではありますな。退行した過去の記憶の中、自分の心の中…あるいは集合的無意識か、魂そのものか…の母親と対話して浄化されてゆくミドリさんのシーンは、ベタな手法ながらグッと来る温かさがありました。同時にアキユキもおだてあげてるナキアミさんだけど、んーまあ、ナキアミさんとアキユキは割と長期間離れ離れだったからなあ。独立して経験を積んだ印象が大きくて、ちとそこまでの「いろいろあったなあお互いに」感は乏しいように思ったり。エエけど。


今回は心象風景だったり精神世界だったり異形の姿だったり、と状況がいろいろだったので、台詞や会話の音響仕事が凝ってて面白かった。ミドリさんと母親のシーン、どんどんとクリアになってゆくナキアミさんの語りとかね。