シャングリラ/エデンの東

シャングリ・ラ・12話。五十嵐ドS姐さんは「アトラス入植禁止」法案を打ち出しつつ、誰も逆らうんじゃないわよピシピシという態度に出る。彼女に対して憤ったりビックリしたり、あるいはメガネさんの如く実際に面会して土下座させられたりという一連の話は、悪役としての姐さんというよりは、なんかそういうプレイの一環のようだ。強引な面会手段だけ計画して会ってどう話すのかっちうのは無策なメガネさんを見るだに、ますますそんな感じ。挙句ハッキングしてたら電脳姐さん出現で再起不能…うーん、なんかすげえプレイやな。


一方のクニコさんサイドはモモコさんの帰還によって一つ大きな足枷が外れる。これで心置きなく五十嵐姐さんと対峙できますね、ってとこかしら。何やかや敷き詰められ張り巡らされた伏線や要素はあるのだろうけれど、ここにおいて割と単純な対決構図に持ってきたのは…いささか物足りぬ気もするが、判りやすいのでワシ的にはエエです。ブーメランも再発注したしね。


熊のきぐるみで外出してるツインテさん。アキバにて胡散臭い目で見られるので困ってますよ、っちうのはちょっと違うな! そんなきぐるみ、あの風景では至って普通じゃんね! 堂々と可愛がられたらいいじゃない! 


エデンの東・最終話。ちんこ軍団はショッピングモールにあふれ、ミサイルは飛来し、滝沢さんは居ないし、っちうまあ、いわゆる「ダマになったピンチ」の状況である。再度登場の滝沢さんは、危機の一つをそのままツールとしてもう一つの危機にぶつける。すなわちちんこ軍団を統率してミサイル撃破。そして物語は劇場へ…っちう流れ。


んーん、これは…多分、ミサイル撃退の詳細な仕掛けは裏設定として存在するのだろうけれど、「アイデアを出せ→出したら迎撃したヨ」っちう表面的な脚本はかなり物足りない感じ。絵面としてミサイル乱舞のスペクタクルを優先したってことなんだろうな。確かに盛り上がりはあったけどね。


オタやニートが主題の一つである物語にしては、彼らの描き方が総体として/一面的なものとして、に偏ってるのもちょっとな。今のままじゃあれ、別にちんこ軍団としてまとめとかんでもエエやんね。ネット上でまとめとけば問題ないような。「やつ等は直列させるとエエ働きをする」っちうのはある種の比喩だろうけど、比喩としても「並列」の方が当たってるような気がするしなあ。…あと多分2ch的なものを念頭においてるんだろうけど、2chってのはあんな感じで顔出しして煽動する人には拒否反応ありそうだ。それが中途半端な「でつ」言葉を使う謎のイケメンと来れば尚更、ああまで意思統一はせんでしょうねえ。


総評。てェかTV放送版のみの感想となりますが。どうだろう、やがて公開される映画作品の宣伝としても一つの作品としても、ちと中途半端だったのではないかなあ、と思う。このTVシリーズにてキッチリ終わった、ように見せかけて更なる展開のヨカーン! っちうのが理想なんだろうけど、ばら撒かれた道具立てや伏線はどうも未消化のままだし、チラチラ描写されてきたテーマ・主題的なものも喰い足りない。


もうちょっとそのう、バカチンで判りやすいベタ描写のつるべ打ちとかで耳目引いといた方が良かったんと違うやろか。滝沢さん/咲さんのラブラブ話でもエエし、滝沢さんが襲い来るセレソンを頭脳と機転でバッタバッタと排除してゆく(中には小川真司的エエモンも居り)ようなバカ話でもエエし。そして意外なヒキもて映画版…とかね。ま、これが全24話の12話目、っちうのなら「ほほう、それでそれで」てなもんでしょうな。ビジネスモデルとして成立すると踏んだからこそのこの公開形式なんだろうけど、…さてどうかなあ。


てことでまあ、いろいろぐだぐだ言うてますが、基本的にはワシ次週の楽しみな作品でしたのよ? なんかこんな感じでTVが終わっちゃったのはどうかなあ、てことで。あと最後まで高い作画レヴェルをキープしたのはさすがIGってとこかしら。そんなけ大きなプロジェクトだった、ってのもあるんでしょうけどね。映画見るかは…んー、判らん。