屋号で号

●ウチんとこでは放映してくれなかったけど、他の方々の感想を見る限り魍魎の匣のアニメは割と評判が良かったみたいだ。んでまあ、海外の方の感想もチラチラ見たりしてんのであるが、こちらとか見ててちょっと興味深かったことがあった。いや、内容のことじゃないんですが。


つまり何だ、ここではあの主人公拝み屋のことを「Akihiko」と表現しているのな。…別にあるキャラをファーストネームで呼称するに何も問題は無いはずなんだけど、普通はワシら、彼を「秋彦さん」とはあんま呼ばないよね。大体は中善寺とか、あるいは京極堂さんって呼称することが多いと思うン。そこでちょっと違和感というか「ほほう」と思った、っちう話。


何でしょう、ある個人をさしてその屋号で呼ぶ、ってのは英語圏でもあったりすることなのだろうか。えーと例えば、「バーリマンさん」と呼ばずに「踊る子馬亭さん」って呼ぶ、てな感じ? 例えが適切じゃないか。まいいか。どっちみち古臭い呼称形式ではあるしねえ。


…などと言いつつ、今この現在ほどある人物を屋号で、あるいは屋号もどきで呼称する機会の多い時代ってのも少ないのではないかなあ、と思ったりもした。つまりその、ネット上のある個人を言う場合にそのハンドルじゃなくてHP名を使うことって多いでしょ? ああいうのって屋号で呼んでるみたいなもんだよな。どうだろう、これも日本的な感覚なんだろうか。どうだろうか。さあ。


●ワタシの実家はド田舎であり、周囲おんなじ苗字だらけであり、なので区別するために屋号を持ってることが多かったのである。ワタシのウチの屋号は「本家」で、隣の同苗字のウチは「新家」(シンヤと読む)で、ちょっと先の川の合流点付近にあるウチは「落合」である。みな苗字自体はおんなじで、その前にそれぞれの屋号を付けて呼称するのね。


んでこないだ帰省したときに両親とその話題になり、「実はお前が生まれる前に「車」という屋号の家も近所にあってな」と聞かされた。へえ、それは知らなんだ。何ゆえ「車」という屋号なのかというと、戦後大陸から引き上げてきたその一家、川の近くに水車付きの家作って生計を立てており、それで車さんと言われたんだそうな。…ははあ、うちの実家もいろいろあったんだなあ、という。ねえ。