また会う暇で

●ふと「何度も出てくるしつこい中ボスキャラ」ってのの原点は何なのだろうなあ、と思った。冒険譚や英雄譚なんかで、主人公たちの前にちょくちょく立ちはだかっては敗退して去っていく、てなキャラジャンル。そうですねえ、ある年齢層には「FF5ギルガメッシュみたいの」と言えば通りが良いかしら。あとはエスコン2のZOEとか天外魔境のマントーとか(やったことないけど)。「宿命のライバル」とも「不倶戴天の敵」とも違う、「またお前か!」みたいなキャラ。


何となくの印象に過ぎぬが、こういうキャラ造形って比較的新しいのじゃないかと思った。神話や伝承だと、毎回々々目先の変わったキャラクタが出てきた方が面白がられるような気がするし。とは言いながらそない古物語に精通してるワケでもないので探せばありそうだけど。ともあれ、こういうキャラが定着しパターン化されたのはどの辺りの作品なのか、ってのが気になったりする。


こういうタイプのキャラってのは、物語が進むにつれてちと複雑な印象を与える傾向がありますよね。確かに倒すべき敵なんだけど、妙な感じに情が乗ってしまったりする、オイシイキャラではありますな。


…そういう意味において、かなり深くワタシの印象に残ってるキャラがマルヤマさんである。一部で人気の高いソフト屋さん・トレジャーのメガドラアクションゲー「ダイナマイトヘッディー」。玩具の世界においてド頭ふっ飛ばしつつ闘うなんかよう判らん生物の主人公、ヘッディーさんの物語。これに出てくる「しつこい中ボス」がマルヤマさんだ。


外見は目の焦点が合ってないクマのぬいぐるみであり、先々で主人公ヘッディーを待ち構えては襲ってくる。初めのうちは言動にも余裕があるのだが、負けが込んでくるうちになにやら必死なトーンを帯びてくる。それは台詞だけではなく、その体によっても表現される。彼は会うたびに体を改造し、増築し、特殊化してゆき、クマとは似ても似つかぬ「何か」となってまでその勝利に執着する。悲しいねえ。「マ マ ママママルヤーマ」という間抜けで楽しい彼のテーマミュージックがさらに複雑感を励起します。彼、最後にはどうなったんだろ。どうでしたっけおおえの人。


蛇足。海外版では彼の見開かれた点目表情は差し替えられ、判りやすいツリ目になってるとか。ま確かに、あの見開いた目のイメージは文化的背景がないととらえづらいかもな。アレですよ吾妻ひでおの「ナハハ」目ですよ。