夏目友人帳/コードギアス

夏目友人帳12話。囚われの妖怪に七年殺しみたいな呪いかけられてさァ大変、の夏目さんである。呪いの余波喰らって先生は縮んでかわいったらしくなったので、夏目さんはまた別のボディガードを雇わなくちゃならない。そんで出てきたのが…ええと、レズでサドな変態妖怪のヒノエさんでした、というお話。


作品が作品ならかなりダークで恐怖なエピソードにもなろう所だけど、いつもながら淡彩絵画みたいな軽みのある雰囲気で成立させている。いやまあ、だからこそあの「影」はかなり恐ろしげには見えましたがね。とまれ、ヒノエさんのドSっぽいキャラも簡単にデレを見せたりして、やはり夏目さんは人外キラーですな。


彼の感情移入力を「弱み」ととらえる妖怪連だが、しかしそれは一方で彼の本質そのものでもある。ミスズさんに「お前は面白い」、ヒノエさんに「名前を呼ばれてもよい」と言わせるその性質が、いつか真に試される時も来るのだろうか。ま、それまではポヤポヤとしてって欲しいものであります。


…ただ、ミスズさんのカエルトラップはよう判らんかったな。夏目を試すため…とは言うが、先生が印に触れて縮んでかつ「じゃミスズ呼ぼう」とならないと成立しないシナリオですもんね。んー、まあ、人外の考えることだからいろいろあるんでしょうけどさ。


コードギアス 反逆のルルーシュR2、最終話。ルルーシュははゼロという仮面を譲り、覇道という仮面をかぶり、その仮面に全ての歪みを寄せ、そしてその仮面とともに死す。ゼロの鎮魂歌はここに終わる。…王の力を得た彼は孤独であったのだろうか。CCはそう思わない。何故なら、CC自身が孤独ではないからだ。彼とともに生きたからだ。世界は知らずともCCは、スザクは、カレンは…知っている。


てなワケで大河内脚本らしい、縛り上げられたような見事なシメではありましたな。途中の疑問やら不備やらを、ルルーシュという希代の大芝居キャラの死を以って全てチャラにする。それだけのベタな力が脚本に、またルルさんというキャラにはあったのだな。どうあっても最期はエンタテイメントを忘れない監督らしさもありますねェ。


見所はえーと、むいてもむいても出てくるオレンジさん攻撃と、あとオレンジさんのオレンジ農場と、あと今回も、あんだけキャストが出た中ただ一人名前が無くて「アナウンサー」役の鳥海勝美さんでした。


総評。ここまで「ルルーシュ」という一個人のキャラに寄り添った物語になるとはちょっと思わなかったなあ。多士済済とんでもない数の登場人物とその立たせ加減をキープしつつ、しかしルルさんという中心をぜんっぜん外さなかった作劇法はなんか凄い。…お話としては突き詰めればアラも多いんだろうが、とにかく毎話々々キッチリと目を引く展開と小憎らしいヒキを忘れない「あざとさ」は、本当に評価されても良いと思う。


どっから見ても完成された佳作、とは真反対方面の勢いゴージャス作品。これだけのパワーで毎度楽しませてもらったには文句を言いませんわ。そしてうーん、まあ、ここまでちゃんと幕を引いてくれるなら、前シーズンのヘボコいシメ方(商法ともいう)はチャラにしちゃってもエエかなあ、と思った。ツンデレ的に。あと鳥海勝美


追記。今唐突に「これ宝塚でやったらおもろいんと違うか」と思ったけど、よく考えたらワシ宝塚って見たことないのでやっぱナシ。ナシかい! …でも太い女声で「ルルーシュヴィブリタニアが命ずる!」とかかっちょよさげだけどね。