野球音痴の詩

●帰りの道端に野球のボールが落ちている。別にそれ自体は珍しくもないが、何の気なしに拾い上げたらサインボールじゃないですかこれは。価値の高いものならばおまわりさんに届け出た方がエエのかなあ、うーんエライもの拾っちゃったなあと困りつつ、しかしいったい誰のサインなのだろうとよくよく見れば、どうやら持ち主の名前が書いてあるだけみたい。紛らわしーんだよ字が汚ェんだよ!


●ワタシは運動音痴であんまし馴染みはないものの、野球ボールはたまに落ちてるのを見かけますねェ。まァサッカーやバレーのボールはデカいから、間違って落っことしてもすぐ気づくでしょうしな。…「野球は最も難しいスポーツだ、だって十中七回の失敗でさえ殿堂入りするのだから」と、こないだニュースでピート・ローズという名前の元気な人が仰っておられたが(文章の妥当性や真偽はともかく、やっぱアチラの人はんまい言い回しをするもんだね)、以前聞いた話ではまた別の視点から野球の難しさを説いておりましてな。曰く、あんな小さなボールでやる球技は珍しい…んだそうだ。


そらまあピンポンやテニスなど小さな球を使うスポーツは他にもあるけれども、こと「競技場に対する比率」という視点からだと野球ってのは飛びぬけて値が小さい。んじゃゴルフはどうなんじゃい、ってまァあれは飛ばしっぱなしで捕球しませんしね。一つの球をみんなで投げたり打ったり取ったり追っかけたりするジャンルとしては規格外に小さいんだそうだ。かてて加えて球の速度も大きい。そらァ難しい競技であるのは間違いなかろうよ…という。なんか上手いこと丸め込まれてるような気がせんでもないが、そういう話。


だからまァ、そんなに小さい球なら落っことして失くしちゃうのも判らんでもないし、そのために球に自分の名前を書いておくのも良い心がけだが…もうちょっと筆跡をぎゅんぎゅん走らさず、著名人的サインに見えないように名前書いてくれよ○山くん! ドキドキしちゃうじゃんか! とりあえずこれ、道端の邪魔ンならないとこに置いとくからね! ちゃんと取りに来るように!