ゼノンはアキレス腱を喰ったか否か

●アキレス腱と南瓜と平天。安売りしていた食材である。となるとまあ、煮るしかねえわなあ。なあ。平天が入るってことはどうしてもおでん味にしかなりませんよね、てことで味付けもそれらしいものにしましょう。ダシの元で薄味にしましょう。その他の食材として糸コンニャクと煮抜きと白葱を使いましょう。そうしましょう。


アキレス腱と玉子は先に圧力鍋で火を通す。そうさのう、30分も煮ればよろしいか。煮えたかな。んじゃ残りの食材も入れてしばらく煮る。煮えたかな。しかし何ですなあ、煮物ってのは他の料理に比べて妙にウキウキするものですなあ。じんわりじんわり出来上がっていく、じっくりじっくり旨くなっていく。…喰うのは一瞬なのが釣り合わぬような気はするが、まあよし。どうせ作るのも喰うのも両方ワシだしな。


では戴きます。御馳走様。平天の俗っぽい脂にアキレス腱のトロトロによく染みた煮抜きに…うーん、おいしかったです。でも大失敗が一つ、ちょっと目を離した隙にまーた南瓜を煮崩してしまった。いやまあ、部分的に溶けた南瓜が煮汁と混ざってすげえ甘旨くなって良かったのは良かったんだけど、やっぱ原形を保った南瓜も捨てがたかったなあ。もうちょっと煮る時間を考えないと。あるいは煮方が悪いんだろうか。


…あと煮物はたくさん作ると旨いけど、つい喰いすぎてしまうのが辛いところだな。ううむ。