おお振り/地球へ…/電脳コイル

おおきく振りかぶって21話。今回は田島さんが頑張ったり挫折したりする話。打席に立って三振するまでで前半をほぼ使いきり、それが滅法面白いってんだから始末に負えぬ。実時間では数分のことだろうけど、その間の監督・投手・捕手・打者各々の読みあいと外しあいのなんと濃密なことか。…ピッチャーにウィンクされて照れてる場合じゃねーぞォキャッチャーさんよーゥ。


全てを尽くした上で空振りを喫し、天を見上げてウルっとしちゃうが、ベンチに戻ったら目に力を戻している田島さんがいじらしい。んでそのことにちゃんと気を回しているほかのナイン達もエエ野郎だらけだ。…うーん、三橋と阿部抜きでここまでガッツリ話を作れるってのは凄いな。てか、マジでどこまで放送してくれるのだろう? ヘンな所で終わるなよー。


地球へ…・23話。なんともうラス前なのか。確かに地球へ着いちゃったしラスボスっぽい存在も顔見世してるし、話の構造としてはその通りだけど、なんかイマイチ通俗的な盛り上がりに欠けてたような印象。例えば本来なら「求めつづけていた地球があんな姿に!」ってとこでもっとワシは衝撃を受けてしかるべきなのに、まあそういうこともあるやろな、って感じで流してしまったなあ。…もっと泥臭くベタベタに、地球への渇望を煽り立てといて欲しかった気もせんでもない。


フィシスとの対話によって彼我の差を知るキースさん。「自分たちもそうだったなら良かったのに」てなもんだけど、傍から見てたらその「思想の差」がどうも「ミュウ/人類の差」とイコールにならないのでちと困った。それは組織の規模の差じゃないか、ってその前にミュウにも大概「出る杭は打て」式の差別はあったしなあ。とまれ、次回を待ちますか。


電脳コイル16話。4423について私が知っているいくつかの事情。ここにきてヤサコとイサコは共通の存在を介していることに気づく…が、その距離は縮まらない。ええいそこはヤサコさんが突っ込んでいきなさい。ためらってちゃダメだ、ほうらイサコさんの胸の中へほうらほうら。


てことで、今回はほぼ純粋にスジの絡み合いのみで構成されたお話。メインはイサコとヤサコと4423のステージなんだけど、それを「ハラケン/フミエチーム」と「猫目/オバサン組」が相補的に支持する形になっている。…てな謎関係の要素もともかく、強く出ようとして結局独り去ってしまうしかないイサコ様がなかなかの味わい。この時の雨の描き方がベタでよろしい。


しかしホンマ、一見大人しげな外装をまといつつ、一番物事を転がしてゆく(同時に要らんことを引っ掻き回してしまう)のはヤサコさんなんだなあ。潜在的・無意識的なS気質というか何というか。この作品、女性は全員Sじゃよね。ある種の野郎にとってはパラダイス。それがワタシかどうかはよく判りません。