おお振り/地球へ…/電脳コイル

おおきく振りかぶって11話。地区大会の抽選会で一話丸々とはまるでなんと孫六のようだ。別に乱闘とかは起きませんけどね。こないだの他試合観戦話もそうだけれど、こういうベースとなるような回にしてこの丁寧な作画仕事、ってのはちと感心する。気合入ったコンテンツなのな。


そこらへんが丁寧なので、本筋にあまり関わりのないようなディテイル…例えば語られざる大量のチームのドラマとか、抽選会場の独特の雰囲気とか…の重層的なレイヤが、作品になんか知らんリッチな印象をもたらしてた感じ。贅沢なヤリクチではある。


一回戦で前回優勝校と当たるというガッカリな状況の中、モモカンと田島と阿部は本気で勝ちに行くつもりである。彼らは決して無謀な吶喊攻撃をするつもりは無い。…うーん、こういう真正面精神は燃えるな。その上で、一瞬にしてモモカンさんの労苦に気づき思いやる部員さんは全員できすぎ野郎どもだな。ホンマ、エエ子ばっかしやねんねェ。


地球へ…・12話。ナスカ入植三年目にして初の人身事故は新旧世代の溝を決定的なものとする。解決の道を模索するジョミーさんには苦難の未来が待ち構えていそうだが、なんか知らんが野郎の声が聞こえてきて不審に思うのであった…って、EDのキャストでばれてますけどね。しかしトォニィさんって男の子だったのね。こりゃ失敬。


一方のキースさんサイド、生きてはいたが幼児退行状態のサムさんは割とキッツイ絵面ではある。病院の駐車場にて、キース・スウェナ・サム(窓の中)の三人が再会するの図は、各々の人生のバラエティ(ちうのはヘンか)が対比的でよろしかった。あと、成田剣さんは実に見事なイヤミエリートになってておいさんは嬉しい。グレイブ・マードックって名前? なんか鉄拳に似たような名の人が居たな…ハゲの筋肉ダルマだけど。


電脳コイル7話。イリーガルの正体の一部が語られ、片岡富枝婆さんのダンナの秘密が明らかとなり、イサコさんが部分的にデレる。ええまあ、精神的ドSとしてのイサコさんがその魅力をごりんごりん押し付けてくる話…で良いのではないかと思いました。


とにかく冒頭から、暴君としての貌・意外なドジ娘としての貌・孤高の放浪者としての貌・そして「未来の事は誰にも判らない」と友人関係を進めてくる人間的な貌、とまあ、イサコさんは大活躍であった。ヤサコと二人きりで閉じ込められ、話がシリアスになりかけては京子が出てきて「助けてくれえ」で抜く、というタイミングが見事。その京子さんをコアとして二人のユウコさんの距離が縮まる、てなギミックも(ベタではあるが)好感触。そらお子様には勝てませんってな。


イサコがヤサコに語った電脳怪談、さてそれは本当に「全部作り話」だったのかどうか。何がしかの真実がそこにあると考えたくはなりますね。あと上でも書いたけど、オチとしての「婆さんの秘密」のあまりの酷さ加減が酷いので素晴らしかった。ばーかばーか。