私は可愛い馬蛤娘

●マテ貝が売っていた。一つ150円。…ほほー、この竹とちんちんの合成怪人みたいなのがそうか。図鑑で見たことはあったけど、マジモンを見るのは初めてではなかろうか。なんか煮付けを喰ったような記憶はあるんですがね。よし、買ってみよう。


とりあえず甘辛く煮付けてしまえば間違いなかろう、と思って調理しようとしたがちょっと待てよ。これ砂出しした方がいいのかな。パック詰のくせして何だかもぞもぞ動いてるし、折角だから一応砂出ししておこう。てことで塩水の中に漬けてみると、…うわー足が伸びる伸びる。水を噴き出す噴き出す。すげえちんこライクな生態を晒しやがる。うわー。


しばらく見てたらなんか、情が移ってきた。みんな一生懸命生きてるんだなあ。蚯蚓だって螻蛄だって馬蛤貝だって。ああ、生命って素晴らしい。…いかん、これ以上見てたら喰えなくなるぞ。いいでしょー飼おうよー世話は全部ぼくが見るからさー。ダメです母さんそんなこと許しません! 喰います! 鍋にドーン! 煮えました。


…味? 歯ごたえもあるし旨みも強いし、上等な貝でしたよ。ただやっぱり砂が入っててジャリ気味でしたけど。だってあれ以上砂出ししてたら確実に飼う事になってたもん。ターミナルアニマルの心構えとして失格であるな。もっと強い心をもたねばならぬ。