パンプキン/のだめ/すもも

パンプキン・シザーズ19話。華やかなり貴族社交界、されどアリスさんは居心地が悪い。テメエの責務とあらばこれを果たさざるを得んのであり、なんとかやってっておるのである。自分を枉げない彼女の姿勢は、(どうも怪しい)婚約者の興味を引くのであるが…という。


近々家督を放棄せざるを得ないのに何故頑張るのか、と問われて「やがて失う物に意味がないならば、人の命にも意味がないのだろうか」と問い返すアリスさん。この台詞が今回のヘソでしょうな。自らのやるべき事を熟考し、それに従う事に躊躇いは無い。案外軍人稼業に向いている人なのかも知れぬ。


割と地味目の回だったが良く動く画面作りでした。幼少時の少尉殿とかね。エライさんが踏み潰すカナッペの絵まで妙に手間かかってたのはちと面白かったです。あと、茶風林は着実に往年の滝口順平のニッチを襲いつつあるなあ。


のだめカンタービレ5話。開幕正拳突きぶっ放しがカウンターヒットしてのだめさん勝利の巻。ちょっと違う。でももう一回同じ戦法で勝ってるので二本先取であってやっぱしYou Win。


千秋さんの指揮初体験は散々な結果に終わるが、それは彼の現状を認識する上で必要な失敗であった。この失敗描写がなかなか上手くて、我々視聴者にも「まあ千秋さんもよくやってるよな」と思わせるだけのマジメさがあるんですよね。こういう時にやりがちな「独善性の暴走感」がそれほど感じられない。それだけに、続いて出てきた牛乳親父がイッパツで場を掌握してしまう技量が光るワケですわなあ。…この辺の語り口は、なんかミステリの種明かしを見るような感じだった。


オーボエクラリネットの演奏をとっかえるという嫌がらせは、またかなり特殊なエピソードで面白かったなあ。ホンマにやった人がいてたんやろな。わはは。


とまあ、今回も楽しかったです。ただ、ちょっと動きがもっちゃりしてて切れが悪かったかな。まあ面白さがそれほど動きに依存していない作品なので、気にはなりませんでしたけどね。


すもももももも17話。草尾毅の人が悩んでヘタレて再生する話。オレンジジュースで酔っ払って(原作でもそうなのかな)、孝士さん相手に「関係無いったって、現にあんた命狙われてるじゃん」と仰るシーンがちょいと良かったな。じゃってその通りだからなー。…孝士さんも災難ではある。


さて本編は草弟ファイター出現である。ヤな性格は精神的に弱い兄貴にも原因があるが、さて草尾兄さんは壁を乗り越えられるのか。…って感じだけど、個人的にはマジメになっちゃうと困るかも。コメディ演出が無いと、五兄弟とか戦闘一家とかの陳腐な設定がそのまんま目の前に出てきちゃうので、ちょっと鼻白んでしまうんだよな。


…と思ってたらちゃんとバカになったんですけどね。今まで小憎たらしい態度を取りつづけてきた弟さんが、猫じゃらし一つでにゃーにゃー言ってしまう絵はなんか良い。「俺だって努力してきたんだ!」の内容が「猫じゃらしを我慢する」だからなあ。…でもまあ、結局兄ちゃんの方が弱いのは弱いよね。