侍/妖奇士

SAMURAI7・24話。折れそうなほどに突っ張りつづけるカツシロウ。今までの鬱屈を叩きつけるが如くの獅子奮迅、彼にとってこういうちゃんとしたアクションは初めてと違うか? しかし所詮は蟷螂の斧、一人で村を守れる筈も無く…。そこに! 斬馬刀ならぬ斬艦刀に「乗って」すっ飛んでくるはカンベエ御一統。タリーホー! 騎兵隊の到着だぜェ!


都攻め編に移ってからどうもダイナミズム不足だったんだけど、久々に下世話な盛り上がりを見せてくれてちょいと嬉しい。また、今生の別れともなろう前夜のしんみり話もなかなかに見せる。が、今回のサブタイは「契る!」。つまりキクチヨとコマチが主役なんだよな。


キクチヨが「戦死こそ武士の誉れ」と言うのを聞いて泣き出すコマチ。慰めに行ったキクチヨは、あれよという間にご婚約である。畑も耕せぬ俺でいいのか。なんとお前はいい奴だ。よーし判った約束だ、必ず嫁に貰ってやる。だから早くでかくなれ! わっはっは! 


…純な野郎だなあ。ようじょとデカブツのアレコレ話だってのに、それらしい妄想一つ出てこねえや。流石キクチヨ、この作品切っての「完成された人間」であるのは疑いが無い。微妙なフラグであるのは百も承知、(キクチヨはともかく)コマチ坊は幸せになって欲しいものだ。キララさんはえーと、適当にまあ。


天保異聞 妖奇士4話。異人さんがやってきたの巻。ユキさんについてテスカトリポカでディアボロスとか言った? ははあ、アステカとかの南米系な話も絡んでくるのか。江戸で南米というとサムスピなんてのを思い出しますが、さて。そういえば本拠地の飾りつけも南米っぽい。


毎回一つのお題で話をまとめるという構造の本作、今回のお題は虚像としての人、ですかね。人が社会的に爪弾きにされる場合、本質によってではなく虚なる仮面によって判断される。浮民という仮面を強要されたユキさんが、しかし同じく異人という仮面をつけているに過ぎない女を「かわいそう」と判断してしまうこと。マイノリティ同士の反目は悲しいね、という。


このお題のもとで様々な「社会的仮面」のディテイルが出てくるんだけど、最後にそれがパッチリとまとまるかな、と思う前に「続く」になってしまった。次回以降も引っ張る話なのかしらね。とりあえず、ずるずると動き姿を変える異形の絵は良かった。表現形しか持たず本質のない妖異、ってことか。…確かテスカトリポカも変幻する神じゃなかったっけか。


「四十といえば隠居してもいい歳だ」ってことは、製作側にもそういう自覚はあったのか。この時代じゃ中年じゃなくて初老だもんねえ。絵のほうはちっともそういうデザインになってないファンタジー。しわ描いたらやっぱウケが悪いですか?