古川ロッパー

●嘔吐について書く。食事中の方・上品な方はご留意願いたい。


こないだ呑みに行った時。中座してトイレで小をしていたら、ばたばたと誰か駆け込んできて後ろの個室に入った。手荒く扉を閉めると同時に嘔吐し始めるその人物。さて、この勢いが大概やないのだ。


まず「うっ」と気合が入ったかと思うと、オペラ歌手のごとく「お――――――!!」という大音声が。ひとしきり吼えた後、さも満足そうに「ふう」とため息をつき、またぞーろー「ぅお――――――!!」そして「ほう」。いやもう、ここまでくると清々しい。他人のゲロで爽やかになるのも変な話ではあるが。


普通、嘔吐の音はパルス状の振幅を有する。「ゲロゲロ」などと繰り返しのオノマトペで描写されるのはその証左。だが、このお人は違ったものだね。声に震えや繰り返しがなかった。よほどの勢いがないとこうはいかないだろう。


●さて、ここで全く関係ない話ををしてこの日記を終える。


WWIIドイツの機関銃にMG42というのがある。そのゴツイ外見とおっそろしい威力というキャラ性で、戦争映画なんかにもよく登場する兵器だ。「人狼」では小脇に抱えて乱射する、なんて無茶やってましたね。


MG42は毎分1200〜1800発という並外れた発射速度に特徴があった。そのおかげで、発射音はもはや「ダダダダ」などという断続的な音ではなく、人間の耳には一つながりの音として聞こえたという。「ヒトラーの電動ノコ」と称された所以であった。お――――――!!