ジョジョ/ガンダムUC

ジョジョの奇妙な冒険・21話。吉良さんが静かに暮らすためにいろいろ苦心する。終始吉良視点で、かつ面倒な目に遭ってそれを何とかするのも吉良側という、扱いとしては彼が主人公でそれ以外の人が脇役、あるいは障害物としての舞台装置みたいな扱いの話。確か荒木センセのインタビューでも好きなキャラとして吉良が挙げられ、感情移入も生半ではないような感じらしいし、これホンマに主人公とみてあまり問題はなさそうではあるな。

そんな彼のマクガフィンが「切断された女性の手」であり、それへの扱いも実にキモいのがよろしい。フツーの人間に興味はありません! という主張が見えるようである。そしてここまで苦労し、どちらかというと小市民的なサスペンスを繰り広げといた上で、スタンド能力者としてはチートに近い強さを持つ、という…ふーむ、考えてみりゃヤレヤレ系かつ俺強ェ系の主人公がラスボス、ってな構造に近いな。そりゃ手ごわいし、かつ人気もあろうというものだ。キモい犯罪者だけど。

今回はほぼ全編森川社長が喋りっぱなし、なんか一人芝居舞台に近い状況。山口勝平との演技もあるけどね。こういうの、演じてる方は相当な力量が要求されるだろうけど、実際演じ甲斐はあるだろうなあ。またエエ声してはりますもんねえ。

ジョジョの奇妙な冒険・22話。承前、吉良VS重ちー。…あ、なんかアップ時の顔が濃い。先週がちょいヘタれ気味の作画だったので、余計にこの強弱ハッキリした主線は印象に残るというか。ともあれ現状の平穏さを失いたくないサイコパスさんは目の前の障害物を排除する、という流れ。ウザったい性格ではあるが子供っぽくてある意味純粋とも言える、重ちーのキャラがよろしい。最後に死にながらも仲間に証拠を残すってのは、荒木キャラの真骨頂とも言える精神性だろう。

…にしても随分えげつないな! 爆破を受けて顔の部品の配置が乱れた重ちーとか、あれ地上波でやってもいいのか。「脳と顔の一部がシェイクされ」てるらしいし、よく生きて動けらなあと思う。魂が消滅するシーンですらなんかグロいし…こういうのもジョジョの一面ではあるねえ。

重ちーの死を受けて今までのスタンドキャラ勢ぞろい。このためにちょいと話数を前後させてるのは妥当な判断ですね。しかしぽつりと一言喋るだけみたいなキャラも多いのに、ちゃんと声優呼んで収録してんのはエライと思う。…億泰のお父んはただ居てただけですけどね。ちうか居ること自体がかなりおもしろいんですけども、絵的に。

機動戦士ガンダムUC RE:0096・20話。寝たきり黒幕(だか何だか)のサイアム老。来た人に映像資料を閲覧させて歓待するという気の利いた爺さんであるが、さて本題のラプラスの箱と言えば、それは宇宙世紀憲章の追加項目。ニュータイプを是認し積極的に扱うべしというその条文は、地球連邦にとってはヤヤコシイ事態を引き起こすものになりかねなかった。なのでとりあえず隠蔽して封印していたのだが、その「隠蔽している」ということ事態がどんどんと重くなり、ゴタゴタの歴史の中で意味を持ち、とうとうのっぴきならないことになっちまっているってのがその正体。そんな「大したものではない」中身を知って、さあどうしたもんか…。

サイアムのジジイはやってきたお二人さんに「てことでこれがラプラスの箱の中身だけどお前らはどうする」とムチャを言う。バナージさんは当然ながら人類の可能性の為に公開して世界に諮ろうと言うが、そこに乗り込んできたフロンタルさんは否と言う。現状維持こそが平和の礎、お前の言う可能性ってのは波乱と戦乱でもあるのだぞ、と。…サイアムさんはしかし、フロンタルさんがこれを取引の材料としか見ていないことを見、やっぱお前アカンわと拒絶する。となるとやっぱし実力行為だ! となるワケですが…ってね。

マクガフィンがちゃんとマクガフィンしてて面白い。その価値の無さはしかし、一部の人間にとっては是認しがたいものがあるだろうしねえ。最終的にどうすんのか、その辺含めてまた次回以降。