夢の話は誰も聞かない

●夢を見る。なんかいろんな話が積層してたようなのだが起きたら一つ残して忘れてしまった。なのでそれを書く。

友人同士の雄弁家と声楽家と悲劇作家が居る。時経て雄弁家が死に、その葬式で声楽家は彼の一生を感動的なオペラにして歌い上げ、悲劇作家はドラマチックな寸劇にて彼を称える。ついで声楽家が死に、悲劇作家は前にも増して素晴らしい脚本にて寸劇を上演する。そして悲劇作家が死んだが、当然ながら何も演じられはしなかった。

●…夢から覚めた時には「おお、なんと示唆に富んだ警句的な話だろう」と思ったけれど、こうして書いてみると何にも面白くない、というか割と意味を成さない。細かいディテイルを忘れていたり覚えているうちに再構成されたりしたからってのもあるだろうが、まあやっぱ夢のこっちゃからね。そんなもんだ。