ニンジャスレイヤー/乱歩奇譚

ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン・23話。ラオモトへと至る道、シックスゲイツ。要するにドラゴンへの道みたいなアレなんですが、このアニメのことですよって前半のテキトーなニンジャたちはテキトーにダイジェストされるのである。「殺したわ…なんて苦しい戦いだったのかしら」。その中でも、原作中わりと重要な働きを見せるヘルカイトとゲイトキーパー、そして謎のモービッドは一応見せ場を貰えてる方なんですがね。糸博のゲイトキーパーは、限られた尺の中でなかなかシブい描写されててよろしいな。かっこいい。

ある程度しょうがないとこではあるが、こういう「ある目標に向かって進む途中の話」ってのはどうしても単調にはなるわな。それが15分アニメとなるとなおさらではある。そういうシバリの中で何とか起伏と見所を作ってるのは大したもんだと思います。前半シックスゲイツの総集編っぽいネタもおもろかったっすよ。意外とねえ。

乱歩奇譚・最終話。暗黒星の数式により個別の何人みたいに喚起されてくる人々は、その死によって大衆の心にキズを穿ち抑止力となる。それが浪越さんの表面的な意図であるが、最後の最後に明智さんに手を差し伸べられた時の台詞を聞くだに「明智さんに認識されたい」っちうごくごく小規模な…まあ、セカイ系で言うなら大規模な情念こそが彼の本質だったのだろう。世に広がった二十面相が「仮面」の存在であったのを見ても、それはあくまで仮初のものだということなのかもしれない。ま、最後は羽柴さんが救われて良かったね、という。

…あと何だ、最後まで中村さんは中村さんのままで終わってくれたのがちょいホッとしたところではありました。ああいう人が実は黒幕っての、地味に堪えるんだよねえ。オッサン的に。そして黒蜥蜴さんはちゃんと失禁していただけました、と。

●このまんま適当に総評としますが、そんな感じで、思いのほか捻ったオチでもなくストレートなスジになったなーって印象ですね。ラスボス浪越さんの意図を阻んだのは一種の力技だったり、どいつもこいつも厭世的な雰囲気をまといつつも情念に正直だったり、ラストシーケンスが「今までの仲間が助けに来てくれる」というテンプレだったりね。うんまあ、黒蜥蜴んとこの奴隷さんが来るとは思わなかったけどさ。そういう意味で、極端な意匠を感じさせつつもその実割と常識的なエリアに納まるという、そんなノイタミナっぽさは持っていたと思う。1クールでキチンとパッケージとして成立させるには、こういう路線がベストかもしれまへんな。確かに大絶賛の傑作アニメとは言いづらいかもしれんが、うん、…こういうのは悪くねーなーと思います。

一応「浪越さんの死体は見つからなかった」みたいなオープンエンドっぽさは盛り込んでるけど、実際続編狙いと言うにはちょい地味ではある。ま、ホンマに続編があるなら見たいと思いますよ。今度は…そうねえ、台詞でだけ出てきた青銅魔人とかそういうエピソードがあるといいな。何だかんだで割と好きなアニメではありました。