蟲師/レコンギスタ

蟲師 続章・16話。誰も居ないが誰か居る。そんな家の中で、イズミさんは暮らしている。常夜の闇空、月の如く丸く開かれた光と、あえかな星の光。イズミさんとその家族は、お互いに認識できないが重なり合った世界に生きている。さて、ギンコさんはその状況をどう紐解きましょうかしら? というお話。

今回のゲスト主役はイズミさんだけど、もう一つの主役とも言うべき存在感なのはこの井戸の底にある別世界、家そのものだわな。サブタイに言うように、壺中天的思想まんまのこの快適な閉鎖空間が…どうでしょうか、ワシにとっては大層魅力的なものに見える。薄墨のようなモノクロっぽい風景、抑制された環境音、空の丸い光。じわりとにじむようにギンコさんが出現した時、思わずイズミさんと同じく「なんか怪しいやつが来た!」とか思っちゃったよワシ。魅入られる気質があるんでしょうかね。

少々度を越した作画的な傾注度合いは相変わらず。今回は光脈の火花とも言うべき「星」の流れてゆくラストの作画がマックスかな。あと、地味に「上から見た立ち昇る煙」ってのは結構めんどくさい絵だと思ったぞ。人間の細かすぎるふりつけといい、毎度々々スゲエわなあ。…大丈夫でしょうね? いろいろと。

Gのレコンギスタ・10話。キャピタルからなんとか脱出するも新型MSで追っかけられたのでこっちも新型バックパックで対抗するメガファウナ/ベルリさんである。なんつーか、2クールというちょっと短い(富野監督にしてはだが)尺だからか、惜しげもなくどんどんと新メカが出て参りますな。次週は更に「お人形」みたいな新型が出てくるらしいし。まあ目に楽しいのでいいんですけど、もうちょっとじっくり楽しみたいメカとかもあるので痛し痒しでもある。アーマーザガンとかねえ。

てことで、今回のお披露目ネタは敵側・ウーシァ、こっち側は陸戦高機動パック。このパックが無駄にゴツゴツしくて、えーこれ高機動なの!? 鈍重系メカじゃないの!? って感じのマッシブさ。色も相俟ってなんかフルアーマーガンダムみたいですな。結局こいつを囮として使い、本体のGセルフが相手をがっつんがっつん殴り倒すという変化球展開なのはちと面白い。いや、実際の戦闘シーンは変化球どころかムチャクチャな機動と迫力でスゲかったんですがね。MS殴り飛ばして先回りして更にぶっ飛ばして…って何だあのドラゴンボールアクション。高機動パック云々以前にGセルフがすごいよなあ。

おもろいおっさんのアーミーを撃退(底なし沼にMSごと沈んでってヘルプミーな状況が可笑しい)の後、お母んもメガファウナに戻るのを良しとしてくれるでしょと帰還してゆくベルリと姫様。定常的に飛行せず、パックの出力でぴょんぴょんと跳んでゆくおかげで素直に戻れないのが暗示的である。視界に入っては上に去るメガファウナのデッキは、そのまま彼らの「なんとか帰りたいおうち」としての象徴でもある。状況は戦争方面に向かってずり下がってってるようだけど、さあてねえ…おうちに安住できるようになるのはいつのことやら。

何気にケルベス教官、あいや今は戦友ですか。彼はちゃっかり馴染んでますね。そういうキャラなんだろうけど、フットワークも口も軽い気のいいあんちゃんっぽくて面白いわな。敵味方識別標の代わりにMSにバンダナを巻くってのがどうにもバカでよし。やっぱ海賊っちゃバンダナだよな!