スペースダンディ/アルドノアゼロ

スペース☆ダンディ・17話。どこぞのメリケンっぽい宇宙高校に珍しい宇宙人がいるってことで、生徒として編入して探ってやろやないかい、というまあ、おおもとの前提条件からしてムチャというかあんまし考えなしのお話であって実にダンディらしいと思う。結局やりたいことはビバリーヒルズ青春白書にミュージカルを悪魔融合させたような、まあそんな感じの回。いやもうホンマ、話運びも何もゆっるいゆるい。前半のミュージカルシーンの微妙さ加減とか、これ明らかに狙ってダッサくしてるもんなあ。

そんな話にすさまじい作画リソースを割くというノリも毎度のことで、クライマックスのミュージカルシーンとか何だろうねあの生き生きし過ぎる動きとアクションは。判りましたもう参りました、とワシは言いますけど、やっぱこれダンディだからこそ許されるゆるゆる加減だよ。毎度々々「次はどんなバカやってくれるかな」という楽しみがあるってのはとてもいいことである。…一応今回「探してた宇宙人は当然目の前のイモっぽいお嬢さんでありみんなそのことを忘れたまま」というオチをつけてあったけど、そういうオチすら無くてもまーいーかなーとか思ってしまった。絵コンテと演出と作画に和田高明。この人が頭になって画面作るととにかく動かして躍らせる、というのはよく判るわな。

ちょっとお話の内容的なことも言うとくと、米国高校のカースト制度というアリネタにして結構めんどくさい話なのだが、いじめられようが無視されようがダンディのあんまり気にしない性格のおかげですこぶる軽快に処理されてんのがよろしかった。こういう時便利よね彼の性格。あとメインヒロインの地味子ちゃん、お下げソバカスのメガネっ娘という基本フォーマットを全く崩さず最後までヒロインとしてやり通したのは結構エライと思いました。メガネ取ったらちゃんと33目だしよう。ねえ。

アルドノア・ゼロ・4話。火星の絶対防御ロボを何とか退けたご一統であるが、勝利の安堵に浸る間もなく遊星爆弾みたいな広域攻撃に晒されて町は壊滅と相成るのである。急ぎこの場を離れ避難せねばならないのだが、そんなところにまた一体敵ロボさんが現れてさあどうしまひょ、という話。火星の文化形態が中世っぽいもので、それにあわせて敵のメカ軍団も基本的に量産型で押すとかじゃなく、各騎士に一体ずつカスタムロボがあてがわれている、というキャラの立った形式なワケね。

てことで今回のロボは剣戟特化、ビルも砲弾もレーザブレードで切り裂きますよ、っちうシロモノ。前回、防御機構の穴を見つけるのに妙に段階踏んだシナリオを用意してあったのと同じく、今回のメカの攻略もヘンなところで細かくて、これがこの作品の…シリーズ構成の味なのだろうな。炸薬主体の榴弾はそのまま切り伏せて爆発させ、徹甲弾はブレードの熱量で弾体の一部を蒸発させて軌道をずらすという敵ロボの描写を見せ、どっちかっつーと後者の方が有効っぽいけどでもあんま変わらんよなーどーしよっかなー、でクレーンのコンテナをぶちかますという文字通りのインパクトのある絵を繋ぎ、最後は徹甲弾の飽和攻撃でしのぎました、というね。こういうギミック主体のノリは初見時の楽しさが強く、いい売りポイントだと思う。実際はどうこう、ってのは多分ヤボだ。

火星側の大時代的なワルモノ描写を徹底させていることが、お気楽な学生さんも嫌悪と復讐の念に立ち上がるという流れを形成する言い訳として機能している。てことはのちのち、この方向性をひっくり返したり疎外したりするお話になるっちうこっちゃろなあ。戦闘の意気が上がってるカームさんなんていかにも中途で無残に散ってしまいそうで、見ててハラハラいたします。あとついでにスレインさんはいつまで経っても不幸な身の上から逃れられなそうで、こっちもワクワク…いや心配です。ねえ!