蟲師

蟲師 続章・9話。…また雪だよ! 今回はしんしんと降り積もる昼間の雪であり、まァ毎度々々凝った絵を見せてくれることであって大変やな。えー、その中にあってギンコさん、のっけから大ピンチであってこれ危なく死にかけてるよね。ホウイチさんが通りかからなかったら間違いなく死んでるよね。何してんのギンコさん。てことで足のけがを癒すため、谷間の一家にご厄介になるギンコさんであるが…っちうね。

蟲の影響によって疲れ知らず、この雪の中で青々とした稲を実らせるに至る谷間の家。ここでギンコさんに供されるメシの描写が実によろしくて、マンガ的な豪華メシじゃないけど「あ、これは豊かな食事だ」と判るディテイルなんだよな。ちょいと古めの時代の和食で、そういう描写を上手く描くってのは結構センスが必要だと思うのよ。それがアニメ、絵であるなら尚更にね。まず何より、旨そうだったもんねえ。

えー、ともあれ。母親に宿った蟲のおかげで、云わば母の「血」を吸って育ってきたと知ったホウイチさん。この一家を支えるためには、その宿業をムリクリ背負ってでも生きていかねばならない。ギンコが祖父に渡した「蟲下し」が結局どう使われたかは明確には描かれていないが…まあ、再度雪が降り出している周囲、鍬を振るう手がぎこちなくなっているホウイチの様子を見れば判るわな。それでもこの谷には声が絶える事は無かったと一言を添える、それは作者の優しさであろう。この厳しい土地での将来なんて、やろうと思えばどこまでも悲劇的にできるものね。

にしても、本来は全く違うにせよ、ギンコさんってばよく知らない当事者にとっては不幸の先触れっぽい役割のことが多いなあ。行く先々で凶運のジジイみたいに言われとるよ、ちうてるガンダルフみたいだ。作中彼だけが洋装であり一種異彩を放っているのもあり、マレビトの一種みたいな扱いなんだろうな。