手探りの中快感を求める者の歴史

●ビールが好きだが昔はそうでもなかった。今はすごく好きであり、暑い時分に汗の一斗も流した後でカンカチに冷えたビールをごっきゅごっきゅ飲み下す、あの快感はちょっと何物にも代えがたい。ある程度温度がないとビールの味が解からない? 知るかワシは今この瞬間の冷涼感こそが全てなんじゃい、ってなもんでね。

でもひょっとしてワシが/日本人が/人類が未だ知らんだけで、こういう条件下でビールの数倍も数十倍も快感の高い飲料、最適解としての飲料が、理論上は存在するのかもしれない。飲料に限らずこの世のものの殆どが合目的的に出来上がっているのではなく、ランダムの海から湧き上がってきたものを人や動物や自然、あるいは単に偶然が鍛造して成立したものである以上、どうしてもそれらの「人から見た機能性」には不純物やゆらぎがある。無論その不確定要素こそが味わいなんぞになってもいるのだけどね。…まあその、こういうノリで純粋なものを突き詰めてしまうと、最終的には薬物だの快楽中枢の直接刺激だのになってしまうし、そこらはエエトコで手心を加えるべきものであるのかもしれない。

などとまあ、少し暖かくなってきた気候の中、代用ビール飲みながら思ったりする。来るべき「夏」はいろいろキライだけど、こうしてエエトコも見つけてやらんとやってられないかんね。…つーかホンマ、なかなか仕事に余裕がでけんなあ…。マトモな休みが欲しいことよ。