●オモテで猫二匹、マーオマーオとやらかしている。この猫の喧嘩ってヤツは何かこう、人が聞いても判るくらいに「これから攻撃の意図がありますよ」ってのがありありと感じられる抑揚であることだな。裡に溜めた攻撃意志を膨らませつつお互いに間合いを探り、ここぞという瞬間にバッと展開するという、どこか相撲の立合いにも似た様式美…「美」ってのはちょっとヘンだな。様式的攻撃性とでも言おうか。そんなアレ。
そんなこと思いつつ、二匹ともかなりタメ充分だな、ああもうすぐこれ爆発するな…ってところで横っちょの窓から「うっさいねんボケ！」の怒声が上がり猫たちは走り去ってゆく。遺伝子と進化と本能が作り上げた様式も、おっさんの一声の前には脆いものよのう。そんな日常。
