境界の彼方

●新番組・境界の彼方。ええと…京アニブランドラノベ原作の京アニアニメ、ですか。「中二病」と類似構造ってこったな。しかしてその内容は、「中二病」のこのジャンルを適当にパロる(でも本筋は割と真っ当なボーイミーツガール)という形式とは少々趣を変え、周囲に振り回され気味ながら人外とのハーフであり不死身であるという属性持ちのパツキン少年と、ドジでメガネでちんちくりんなへっぽこ人外ハンター少女のワケアリペアが主人公という…ううん、あまりひねったところも無くかなりストレートなラノベストーリィの第1話、ではあるな。

全体の雰囲気にはどこか薄暗い背景が感じられるものの、今のところは各キャラのフツーな明るさでポップな感じもあるというバランス。夕暮れや夜の印象が強いのは、やっぱそういうジャンル的なお約束ではありましょうか。あとアクションシーンを中心に流石の京アニ、やたらとスキルが高くて見た目におもしろい作画がぽっぽこ出てくるのは眼福というか贅沢というか。得物の原料が血なので流体作画が多いのはエエっすねえ。ラストに出てきたガイコツっぽい人の包帯の動きもおもろかった。

さて。上記の通りこのジャンルの一典型みたいな作品で、押さえるべき勘所もそれほど過不足無く押さえてある印象。あいかわらず丁寧なシゴトとクォリティは京アニらしくて好感が持てるところ。文句言うならその典型性、「今のところは」という但し書きはつくものの、この作品ならではのオリジナリティには乏しいし少々マンネリな筋立てだなという言明もあると思う。がしかし、それはこの手のジャンルを好いている人にとっては余計な詮索だろう。ワシだって十年一日でロボだメカだSFだと浮かれたりもするワケやしね。んで肝心のワシの嗜好だと、ううむ…まあ、上で書いた文章が割とあてはまるかなと。つまり少々キツいものが出てきてたりする。作品の質は充分であることを認めつつ、次回以降見るかどうかはちと判らんってことで。うん。