ダンガンロンパ

ダンガンロンパ・最終話。超校高級の絶望、ラスボス、デウスエクスマキナ。エノシマさんはこの世界の鍵と仕掛けと壁を一手に請け負い、主人公たちに対峙する。ナエギさんは超高校級の希望としてそれに向かい、希望の前に絶望は屈し、結局エノシマさんは待ち望んだ至高の絶望に胸震わせながら消えてゆく。…主人公たちに用意されたバッドエンドが「安穏とシェルター内で生きてゆく」で、勝ち取ったグッドエンドが「狂乱の世界へ足を踏み入れる」である、という前向きさはまあよろしいのだけど、あからさまな続編コミコミのシメ方ではあるよなあ。語られなかったネタも大量にあるし、貴家堂子のあのモノクマモドキさんもあれ、続編キャラなんしょ? いいけどね。

ラスボスのエノシマさん。喋るたびに人格と語り口がころころと変わり、ここぞって所で素の喋りに戻るという変幻自在な設定はかなりめんどくさい演技だったとは思うが、そこはそれ豊口ねーさんの真骨頂。フカワ/ジェノサイダーさんとの会話シーンは、豊口めぐみ沢城みゆきのヘンな演技合戦の様相を呈してましたな。二大怪獣南海の決戦。

●総評。エキセントリックなキャラでエクストリームな殺人をやってエクスタシーという、見た目にも大げさでキッチュ、着色料満載の駄菓子みたいな狂騒的魅力のあるヘンテコ作品、ってところでしょうか。原作のそんなテイストはよく感じられたのだけれど、アニメとして見るならばまずあまりに尺がキツい。ガチガチに詰め込んだおかげでテンポはいいが、タメやメリハリに乏しく一本調子なきらいがある。あとこれは根幹構造的な問題だけど、閉鎖環境で同じメンツってことでパッと見ィの風景が変わり映えしないので、そこらもちと平板な印象をもたらしたりしてたと思う。

これが原作のゲームであれば、プレイヤが考えて行動を起こすことで達成感などの継続要素があるんだろうけど、いかんせん受身メディアのアニメとなるとそこら辺弱いよね。…もう少し踏み込むなら、現状における原作付きアニメの評価基準や嗜好の方向性がこのアニメを半ば規定してしまっていた、のだろうか。例えばこのキャラと設定をベースとして使い、展開の方はアニメ独自に構築すればもう少し、作品としての歪さは薄れていたかもしれない。でもそうなると原作ファンからは改悪だの台無しだのと言われてしまっていたかもしれない。難しいとこだけどねえ。

個人的にはいろいろと惜しいところのある作品だったな、という印象。上記の通りギミックやキャラのおっ立て具合はかなり目を引いたし、根幹のネタとしてはなかなかおもろかったとは思うのだけれど。原作ファンはどうだったのでしょうね。