ガルガンティア/ちはやふる

翠星のガルガンティア・3話。良かれと思ってやらかした敵海賊殲滅が大いに空振り、皆さんをドン引き状態にしてしまったレド+チェインバーペアである。際限なく暴力の応酬を続ければ全て死に絶えるしかない。だから必要最低限の武力でもって牽制しあうことがお互いの最大利益となる、という世の習い。レドさんは前者、「終わりなき戦い」の世界に居たワケで、確かにこういうパワーバランスってのは理解の外にあったのかもしれない。そういう立場を踏まえた上で、それでもエイミーたちの世界のロジックを理解しようと努めるレドさんはやっぱしデキる人だ。それが「取引」であり相互理解の第一歩、やよね。

…とまあ、そういうマジメな話に乗っかってくるのがラケージ大海賊団のご一統。ああ、このタツノコ悪人っぽいキャラときたらもう。ワキにちゃんとボヤッキーっぽい人とか居るしさあ。何をどう見てもラスボスとか真の悪とかには程遠い器ではあるが、折角なのでぜひともこれから頻繁にやり合っていただきたい所存である。自信満々でやってきたらチェインバーさんにジャイアントスイングで放り投げられた、というオイシイ登場/退場だったし、ラケージ専用ロボもこれまたキャッチーなバカっぽいデザインでよろしいよね。

こういうこれからどう話が進むのか、予測しづらいオリジナルアニメってのはワクワクすることだ。楽しんでみてますよ。ただ今回は夜戦シーンが多かったので画面が暗く、ワシのヘボモニタでは細部のディテイル判別が苦しかったのが残念。

ちはやふる2・14話。初っ端は団体戦というものに関してのアラタとクィーンの見解の相違。団体戦みたいなもん弱いヤツのおままごとじゃと(京都風に)嘯くクィーンであるが、アラタさんはその悪言の中にある種の孤独を見る。彼女は強すぎる。団体戦だろうが何だろうが、生半の試合では彼女を「おままごと」のレベルから引き上げることはできない。だからこそ彼女はアラタにここまで執着するのであろう。ま、アラタさんにとっては多少とばっちりじみたアレではありますが。

さて本編、対明石女子との決着。この試合シーケンスでタップリと語られた千早と逢坂さんとのバトル…を越え、最後の最後は駒野くんが勝敗を握るというドラマ構築にかなり感心する。あれだけ仕込んだ千早たちのドラマの更にその上を乗っける、こんな贅沢なトッピングもあまりないモンですよ。それに駒野の机くんはちょい前まで「試合に出ることと裏方に徹すること」というテーマでひとエピソード持たせた男であり、それが試合での最後をガッチリ押さえて勝利する、この呼応の美しさ。見事であると言うしかない。

千早と逢坂さん、両チームを象徴するエースの勝敗とチーム自体の勝敗が逆転しているというこの構図。当事者各々に軽くない経験をズンと残した上で、団体戦という事象の構造的複雑さとその意味を上記クィーンの話と対置する。「しのぶちゃんと一人にしておけない」という千早の思いはクィーンを振り向かせるほどの厚みを持つに至ったが、さてその先はどうなるか。…こんな時にあっさり負けてんじゃねーぞ北央! どうした北央! てことで次回は富士崎ですかな。いやあ、これまたクセの強い野郎どもばっかしのようでいろんな期待が持てるなあ。げへへ。