たまこまーけっと/新世界より

●新番組・たまこまーけっと京アニ新作オリジナルアニメ、どこぞの商店街の餅屋の看板娘の居候の喋る鳥の話ですか。主人公はたまこさんであるのは間違いないが、この割とうざったくて名前のめんどくさい鳥さんの方も何か心象描写とかされてたりすんので、主役の一人としていいのかもしれない。大晦日という餅屋にとっていちばん忙しい時に出現し、そこそこスリムな体形からガンモもどきの真円体形に変化するまで、で第1話おしまい。

キャラデザインと演出の許す限りかなり理想化された商店街が舞台ですが、どうだろうね。経営的な危機とかそういう生っぽい話にも向かってゆくのかどうか。お話自体はちゃっちゃとソツなくまとまって、とても見やすく入りやすくてよろしい。んでもって画面の方も、冒頭からハッキリと京アニクォリティの作画であり(作監堀口悠紀子)、あいかわらずちょっとどーかなーってくらいにちまちまとよく動く。…たまにはちょっと手ェ抜いてもエエのよ? っちうワケにもいかないんだろうなあ。

目(というか耳)を引いたのはワキのキャスティングで、これが何かもう凄まじく「厚い」。ざっと挙げただけでも藤原啓治立木文彦西村知道小野大輔辻谷耕史津久井教生雪野五月etcetc、一作品に二三人ほどスポットでキャストされそうな中堅〜ヴェテラン辺りのお人をばかばか投入している。主役近辺はフレッシュな新人にしてワキを芸達者で固める、ってのは定番の手法だけど、何というかこれは手堅くて手堅くてガッチガチですなあ。ちょっとスゲかった。あと鳥さんの山崎たくみは、この手の主役近辺ってのも結構軽めのバカ演技ってのも最近新鮮でよろしかった。楽しそう。

あー、うん。問題なく視聴継続。感想は書きにくそうだけど、面白そうだ。

新世界より・14話。マモルさんを確保したサキさんは一旦村に戻り、そして教育委員会の査問…っちうか尋問を受ける。サキさんはマモルさんたちを守ろうとがんばんのですが、どうにもファッショっぽい教育委員会さんご一統からの攻撃は強い。あーこらもうあかんかなー、ってとこで倫理委員会議長の榊原おばさんが介入してきて…というお話。

榊原議長はやっぱしメトセラじみた長命者であり、その知識でこの地域を統括していると。テロメア修復だけでそこまで永らえるのはちょいとムチャっぽい気もするが、まあ呪力のお陰様ってことで。…議長が語った「脅威」と「権力」の本質は、どうもどこか通低しているような印象があるなあ。コミュニティから排斥される/崇められる、その差はどこなのだろう。単に量的なものか、あるいはどこかに質的な差があるのか。

そして主人公。あの峻烈で排斥的な査問会に対し、恐れ不安になりつつもあそこまでまっつぐに立って抵抗答弁できるサキさんってのァ、やっぱし望外に強いお人であるなあ。「正直に喋れ」と言われ、それならってんでタブー事項に斬りこんでゆく辺りなんかもう戦士の風格だ。そらまあ榊原議長も将来の指導者なりと目をつけるわなあ。…ていうか、「あなたたちには実験として思想統制をしていない」ってことは、やっぱ普通は思考に干渉してんだよな。怖いことだ。

教育委員会の副議長と議長は山像かおり天野由梨。うん、そら怖い。かつ榊原良子に負けるってのもよし。