中二病/ガルパン/新世界より

中二病でも恋がしたい!・4話。クラスのヒロイン・ニブタニさんの本性が明らかになる話である。蓋を開けてみれば真正面の元中二病患者、言ってみればユータさんの女性版でありました。ユータさんがニヒルで孤立的な中二病だったのに対し、彼女はスピリチュアルで不思議ちゃん系のアレ。ついでに気が動転したら呪いの儀式を始めようとしてたり、どうもユータさんに比べてまだ吹っ切れてない感じがある。だからこそ過剰に否定してるってとこもあんだろうな。

そしてユータさんに対する中二病克服者としての仲間意識はほぼゼロであり、何かこう…攻性な態度であるのがヒネったとこでしょうかね。ユータさんの過去の恥を聞いて「さぶっ」で済ませたあの瞬間、フラグが折れると同時に彼女の物語上の立ち位置が確定したような風情。彼女の性格の悪さはある種の人にはタマランものでもあるんでしょうか。ワシとしては、そら人として優しいほうがよろしいけれど、あのちょいとうそ臭い表の顔よりはエエかなと。うん。まあ。

凸守さんがニブタニ/モリサマーさんの過去を手放さないおかげで、無自覚にも凸守さんによるイニシアチブが発生しているのが面白い。凸守・ニブタニ・ユータで何となくの三竦みができてますな。そして凸守・ニブタニの関係はリッカ・ユータの関係とパラレルでもある。そのどっちにもあんまし関わってこないくみん先輩はまあ、ああいうキャラだからエエか。あるいはそのうちくみん先輩にも何かデカい属性が明らかになるのかもしれませんけれど。

にしても、今回は今までにも増して中二病的ダメージのデカいネタが多かったな。個人的に。クラスの女子にイタいイタいメールを送るというエピソードとか、そのまんまじゃないがあれこれと思い当たるフシがあれこれと、あれこれなのでかなり冷や汗が出る。あと凸守さん、いきなし「黄昏よりも昏きもの…」とか言い出して、このトシでなかなかシヴい趣味してんなーとか思ったけど、検索してみたらスレイヤーズって年少者向けにリライトしたバージョンとか最近出てんのな! すげえやこの息の長さ。感心するわ。

ガールズ&パンツァー・3話。承前、戦車道練習試合の肩慣らしを経てワンクッション、そして他校との親善試合と相成るまでのご一席。相変わらず作画・演出ともに日常描写を丁寧であり、それはかなり非現実的な大ネタ(まあ、戦車だ)を受け入れる足がかりとして優秀である。いやそんなんナシで非現実的バカチンばっかりのアニメもそらそれで好きですけどね。まあ。

日常描写の細かさだけでなく、お話を転がすある種の「強引さ」も効果的に使われている。いかに弱装弾やら超装甲やらがあるにせよ、とにかくツッコミ所の多い戦車バトル(橋梁上での大立ち回りは流石にヘタせんでもマジ死者がでるよなあれ)だけれど、登場人物のほぼ全てが「そういうもの」として話を流してってんの見るとコッチの方も「…な、ならいいか」とか思ってしまう。

…つーか市民さんたちは戦車道に対してものすごく理解の懐が深いな! 朝五時六時に住宅地に四号で乗り込んで空砲ブチかまされて「おお戦車道かがんばれよ」ですもんね。アスファルトめくれないか窓ガラスは吹っ飛ばないか、とかツッコもうとしたら渋滞に巻き込まれてる四号、超巨大空母がフツーに停泊してる様子、と畳み掛けてくるのでもうツッコミが追いつかない。結果「…うん、まあそういうものかも」という境地に…。みたいな?

あとやっぱ、メインたる戦車の描写も「あくまで必要な範囲で」細かくてよろしい。三突の打撃力の高さと旋回砲塔が無いことによる不利とか、次弾の装填まで間があるから攻勢に転じるとか、泥中でスタックしてムリに信地旋回しようとして負荷がかかって履帯切れとか。「こういうのネタとしてあるあるじゃろ?」という定番をちゃんと押さえてんのがよし。シュトリヒ数えて距離測るのに大慌て、ってシーンで宮崎駿の豚戦車マンガを思い出したよ。

さて、いよいよ次回から本格戦車道試合っすね。こっから1話アバンにつながっていくのかしらん。しかし敵さんは無闇にカタい…。八九式とかじゃゼロ距離でもチャーチル抜けんぞ? 三突にがんばってもらわなきゃ、ってあの絶望的に待ち伏せに向かないのぼりと塗装がネックだな! ま、その辺も楽しみに。

新世界より・4話。ここに来て怒濤の世界設定解説。いままでチラチラ見え隠れしていた不穏なネタがガッと展開されるお話である。千年前(ワシの居るこの現在だ)に突如発生した超能力者の一団。全人口のわずか0.3%に過ぎない彼らは、しかし深刻な擾乱を世界にもたらし…結局世界人口は2%にまで落ち込んでしまう。その後の社会再編を経て物語り時点での「現在」に至るのだが…。

その後オトナに見つかって能力封印、護送されるもネズミたちの襲撃を受けてさあ大変。いやもう、それまでの回のゆったりしたペースはどうしたんだってほどの急転直下である。ここまで3話、グイと溜めた甲斐があったってなもんでしょか。諸々の事件の最後、ひょっとしてバケネズミの正体は元人間なんじゃねーか…っちうところでヒキ。うーむ、盛り込むねえ。

血塗られた過去の歴史を聞いて「人間が人間を殺すのか!」と驚愕している所を見ると、衝動性に対する遺伝的管理はかなり奏功しているようだ。技術者クランが実験を握ったからこその世界なんやろな。今までのアバンで出てきてた動乱の時代、金枝篇的に「王は次代の王によって弑されるべし」と言えばカッチョエエが、「よって王になりたがるのは部族の中で最も間抜けな者だ」ってなコスカン砦のゴブリンみたいなもんだとも言える。…攻撃衝動、言い換えれば権力志向ってのは業が深いわよねえ。

とまあそんなお話だったけど、今回一番プリティだったのはミノシロモドキ、玉川さん声の図書館端末だよね。話聞こうとしたら四面四角に「ご利用には登録が必要です」云々と返し、ほなそのヒゲ全部引っこ抜いたろかワレちうた途端に「書類手続きは省略されました」と柔軟対応。多分アレだ、今までもヤカラな利用者が多かったんだろうなあ。何というか、接客対応の経験のあるお人ならホロリとするシーンだよね。