宇宙兄弟/謎の彼女X/アクエリオン/ちはやふる/さんかれあ

宇宙兄弟・3話。しんどいしんどい体力測定に穴という穴をほじくられる身体検査。宇宙飛行士への道はひたすらに長く、そしてまだまだそのトバ口に立ったところに過ぎないのである。その中にあって「有名宇宙飛行士の兄」であるムッタさんには要らざる妬み視線が向けられるのであってね。しかしムッタさんは大人というか惚けた性格というか、そこまで湿っぽく引きずらない雰囲気なのはよろしいわな。「しまったその手があったか!」じゃありませんよ。


んでもってここで、ヒロイン役っぽいセリカさんともなにやらフラグたて気味になってきてるムッタさんですな。ただまあ、お付き合いの対象というよりはどうも「昔のお父さんと同じことやってる、微笑ましいな」レベルの感情のようですが。ま、最初の一歩としては悪くはない。宇宙服のバイザーに自分の顔を映してみるという行為、大丈夫そこまでハズかしくありませんよ。うん。多分。


にしても、セリカさん現在・セリカさん過去・ムッタ過去と実質三役を演じ分けてる沢城姉さんは役者であるよな。てェかなんでムッタの過去も沢城さんなんだろ。こんなに頻出するなら別の役者を立てても良かったんじゃないでしょうかね。内面の言葉を含め全編喋りっぱなしの平田広明といい、声優演技に苦労する作品やでこれ。あと、肺活量テストで向かい合って我慢比べの絵はアレだ、ライトスタッフの似たようなシーンを思い出したりした。


謎の彼女X・2話。卜部さんは謎の彼女であり、もともと恋愛経験値の少ない椿さんはどう付き合っていいものやら困惑しきりである。ちうか卜部さん相手ではどんなに恋愛経験があろうが困るでしょうけどね。あれこれと関係性を模索していく中で明らかになる卜部さんの「趣味」は、何故か鋏である。…マジで何故に? いやまあ、鋏持って攻撃してくるメカクレ女の子の魅力、というのは何となく判らんでもないような気がするといっても過言ではないですか? いや訊かれても。


本日のサワリ、この関係性が特別のものであると証明するシーン。唾液を介して感情を伝えることのできるというネタを踏まえ、「相手に目を瞑らせておいてその前で全裸になる」ことでドキドキを創出、その感情を唾液で伝えるという…まァた回りくどくも無駄に濃いィ、フェチフェチした絵面だなあおい! こうして文章にしても何言うてんのか判らんぞワシ! いいけどね!


てことで、今回もどっちに話が行くのか判んない危うさのある話でおもしろかったです。卜部さんに振り回される椿さん、という構図で進めていくようですな。「ディスコミュニケーション」っちうワケですな。あとOPが登場、唾液のイメージとしてレモン使ってくるってのが上手いなと思った。それなりに唾液つながりであり爽やかなイメージもある。流石に全編よだれだらけのOP絵を作るワケにもいかんしね。いややってくれてもかまわんですけどね!


アクエリオンEVOL・16話。前回カグラさんをかばったことによって問題になってるミコノさん。前世の記憶とか何とかはともかく、いかに敵だからって「殺さないでとかばった」ことをそこまで責められるようなものかしら、とかも思うがまあいいか。ともあれ、いっぺん実戦訓練することで根性叩きなおしたろかい、というなんか大雑把な展開になったと思ったら何故か前作のメインテーマがかかってきて…っちうお話。


やってることはこないだの埋まり特訓の延長みたいなもんなのだけど…何でしょうねこのムチャな勢いとバカノリの楽しさは。その楽しさの一部は対戦相手のモロイさんとサザンカさんによるものであるのは間違いなかろう。「分子間結合を操作して何でもモロくするモロイさん」のとことん怪しげな動きの時点でもうおかしかったのだが、そのまんっま純正ヒネリなし、「腐食力を操り腐っ腐っ腐とわっるーい顔で笑うサザンカさん」の絵面でもうダメだ。オマケに最後、ロボスケキヨ状態で地面に埋まって助け求めてるサザンカさんと、彼女を完全にほっぽらかして湿っぽい会話してるモロイ/カイエンのシーンとかひどいよね。助けてやりなよ!


おっといかん、お話のメインは毎度のアマタミコノゼシカの痴話喧嘩でしたっけ。折角の告白を背景音でかき消されて「え何、何つったの?」っちうネタはようあるが、そっから仕切りなおしてもっかい告白する、というリカバー展開は地味に初めて見たかもしれない。よかったねゼシカさん…って、また勝手に心沈ませてるんですけども。この子もメンタル弱いなあ、ってアマタミコノのお二人がそれにフォロー一つ入れないってのもひどいよね。対戦者のあっちとこっち両方とも、もうちょっと他人のこと気にかけてやりなよ!


訓練の果てに前作のイメージが流れ込んできたのは素直に驚いた。そこまで強力な前作との繋がりを持った作品とは思わなかったからね。運昇や森川が声つきで再登場してきた瞬間はおおっ、とか思いましたよそら。もう十年近く前なんだよなあ。


ちはやふる・15話。千早とクィーンの決着、そして太一の決着。お互いここで一旦の敗北、また強ォなって帰ってくるかんな! っちうお話である。クィーンシノブさんの方にも千早さんのイメージは残せたようだし、いずれ来るであろう対決の日が楽しみですな。お互いどんなけ強くなっていることか。


千早と太一の敗北。それぞれ負けて悔し涙を流すのだが、二人ともそれは強い涙…前へ進もうとする涙であるのが好ましい。そしてメインはこの二人なんだけど、全体としては部員五人全ての積層されたドラマとなってんのがアツいわな。太一が目の前にテンパり気味で集中してるシーンに一瞬だけ、残り四人それぞれの顔がカットインされるのが印象的。特に西田の肉まんくん、「準優勝が一番悔しいよな」という彼の心底からの思いをそのまま素直に太一に重ねることのできる、そんなつながりがよろしい。


部員たち、ライヴァルたち、そして新さんのこれからを指し示してお話は終わる。ここでアニメの最終回としてもエエくらいの気持ちよい一区切りになってて、ここまで続いてきた本選アークの緊張感がほぐれる良いシメだった。こんなとこで主題歌流れると効果倍増よね。


さんかれあ・2話。レアさんの父は運昇声の変態である。強すぎる愛情で娘を束縛し、周囲を非人間的に排除してゆくこのおっさんは非常に面倒である。ほぼ家族性を失っているらしき母親とこの父親の下で、レアさんもまあようここまで歪まず育ってきたものではありますよな。…自分が相談をしたことがキッカケで家庭崩壊してしまった友人に対するメイン感情が「父は何もかも私から奪っていってしまう」という自分主体のものなのはちとどうかとは思うが。ま、これはしょうがないところもあるか。


てことで、状況に絶望したレアさんがロミジュリばりに服毒自殺を図るも、その「毒」はちょいと怪しいぞォ…具体的にはゾンビになりますよ、っちう所までのお話。全体としてはエキセントリック極まりないセッティングと道具立てのアニメなのに、かなりしっとりしたテンポで進んでるのな。週ジャンとかならこの2話分を1話にまとめちゃうかもしれない。


けどまあ、かったるいかってェと今んとこそうでもないかな。全編がほぼ夜中で画面が暗めという状況だし、たるくなってもしょうがないんだけど、ワシのジジイ的テンポには合ってるということだろうか。意地の悪い見方するならば「このゆったり加減なら1クール話もたせられるかな」とかね。まいいや。