ペルソナ/ピングドラム

ペルソナ4・4話。ユキコさんを助けんがため駆けつけるご一統、主にチエちゃんである。…ペルソナ能力が発現してその直後だってのにすっかり順応しているのは、チエさん生来のキャラなのかあるいはユキコさんを救いたい一心なのか。ともかくユキコさんの所にたどり着いた皆が見たものは、例によって裡にありきもう一つの人格…ユキコさんの場合は「三流バラエティの軽いノリ」なお人、である。


流石に4人目となると少々マンネリではあるのだが、ユキコさんの場合は最後出のエピソードであること+本人のちょっとした「重さ」もあって、今までで一番どらまちっくなシーケンスとはなっていたな。執拗に反復される檻/網のイメージ、かごの中の小鳥を自分と同一視していたがために発生した小鳥への逆恨み。かごの中にありながら「自ら出てゆく勇気」もなく、ただただ白馬の王子を待ち続け…そして他者が王子でないことに怨嗟の念を垂れ流す。本人が静的なキャラであるだけに、こういう屈折がある意味でよくハマっており、いっそ美しくもあるね。小清水さんのアバズレ演技もよろしい。


んでまあ、この状況でもナルカミさんの無責任応援が効いてますわな。上記の要素ぜえんぶ聞いた上で「だけどそれが何だ!」ですよ。この論理無視のパワーはエエカゲンやけど、だからこそ強い。入り組んだ精神的迷路を律儀にたどらず、力で押し通るのは(正しい正しくないは置いといて)なかなかのカタルシスはありますね。


さて、これで物語当初からの主要キャラはみなペルソナを発現したけれど。これからが本番ってとこですか、ね?


輪るピングドラム・16話。ナツメさんの事情と呪い、そしてここでもサネトシさんに巻き込まれてゆく彼女の姿。ベースとなるお話は「強すぎる存在感を示す存在(祖父)に振り回されてその人生をすり減らしてゆく少女」というかなりの重さなんだけど、そんなズッシリとした質感と重さの話を構築したあとで反対の極端に振った異様な軽さで演出する、というこの作品特有の「歪み」を以って語られているので、…ええとその、どう受け取ってよいのやら。うん、そうねえ、すげえバカで面白かった、と小学生のような感想を置いておこう。


この1話に盛り込まれた情報量の多さは、今までにも増して大量ではある。隠喩暗喩に満ちた個々の要素にいちいち言及はしない(できない)けれど、その物量もてがぶりよりで襲いかかる話の勢いがすごいわよね。メイド頭の連雀さん(中原麻衣)のネタだけで1話2話できそうなトコなのに、久々の生存戦略バンク使ってまでやったことはえろ写真的妨害行為だけである。…贅沢おもろいな! バカだな!


てことで、どうもこの奇妙な状況を支配し制御し(ようとし)ているのはサネトシさんで間違いなさそうだ。その立ち位置はメフィスト的なものっぽいが、さあて…ラスボスとしての器があるのか否か。ま、それは先の楽しみに。