ダンタリアン

ダンタリアンの書架・最終話。なんか知らんゾンビが出たらしいので行ってみたらもっと怪しい人たちが揃ってました、というお話。今までゲストとして出てきた二組のイケメン男-娘さんコンビが双方登場、わあこれで一体何が起こるのかしら、ってとこでお話は終わり。ダリアンさんの分身たる書架の白い少女を救うの救わないのというネタもあるけれど、まァ…「俺たちの戦いはこれからだ」エンドではありますわな。


どうやら時代を超えた知識を持ち、歴史の裏で暗躍してるらしき「教授」。理由は知らんが幻書を燃すことに全てを賭けてる「焚書官」。どちらも単独して出てきた状態でもなかなかおもろいキャラだったので、顔見世して終わりってのはいかにも残念だし、アンバランスでもある。人気があれば二期とか何とかやりましょう、ってとこでしょうけれど…なんか最近こういうの、多いような気がしてきた。まいいや。


●総評。ちんまりしたゴス娘とイケメン兄さんが不思議な力でいろいろする話。最近の定形とかですかね、割とよく見かける感じのセッティングではある。正直言ってものすごくオリジナリティにあふれた傑作アニメとは言いがたい。ちょいと踏み込みの足りないキャラ造形とか、どっか舌っ足らずな語り口とか。この辺はアニメ化にあたって落っこってっちゃった部分なのかもしれない。


しかしワシがあんましこの作品を嫌いになれないのは、やっぱね。本の話だからね。その裡に不思議と幻想をタップリ詰め込んで、使う人を幸福にも不幸にもする幻の世界の本。その不思議の発現がいささか俗っぽい…まあその、ファンタジィの二次創作っぽいのはある程度しょうがない。とにかく世界のコアに本があり、かつ本を語る口調が実に楽しそうであること。有体に言ってビブリオマニアにして本フェチであること。それが感じられる、もうワシはそれだけで弱い。悪くは言えぬよ。


割とネガティブ気味な擁護してきたけど、いやいやお話としても割とエエとこも多かったとは思いますよ? 本の話だからってのもあるんだろうが、毎回々々シカケがあってヒネリもある「奇譚」を語ろうとする姿勢がまずよろしい。その意味で、舞台設定がWWI前後ころの微妙な時期になってんのはエエ雰囲気だよな。ギリギリ爆撃機がある程度のね。…ただまあ、そういう幻想的な雰囲気を出すにガイナという会社が適任だったかどうか、っていう問題はあるけれど。実際、動いてれば大概許すワシですが、あの今石的な演出/動きはちょっとキツイかな、とは思ったし。ま、ね。

黒ロリナマイキのダリアンちゃんに沢城さん、いやあ、ここしばらくのフィルモグラフィでは珍しくなっちゃったカワイイ系のキャラをやってらして割と俺得。その他のキャスティングも手堅いんだけど、どっかわずかにズレたノリもあったりしてその辺も楽しかった。具体的には玄田哲章の大魔術師とか。あれ、全体的にコメディよりな演出に拍車をかけちゃってるよな。意図的かも知れんけど。


てことで、毎週いろんな本が出てきて良かったです。うーん、ヘンなアニメではあったよね。