ダンタリアン/夏目友人帳

ダンタリアンの書架・13話。ヒューイさんのプレストーリィであり、かつもう一組の書籍コンビの登場回。かつて撃墜王としてならしたヒューイさん…の、友人であり先輩である男・アイラスさんについてである。…ノリとしては古き佳きヒコーキ乗りたちの話ですな。ソッピースやRAFやフォッカーなど、相手のお顔が見える飛行機を使って戦争をしていた頃。なんしか相手のヒコーキ乗りの考えが判る、というエスコン的能力を持ったアイラスさんは、その力で詩をものしている。いつしか詩を書くことだけが目的となり、ただただ戦争の大渦を求める人外となる…というね。


なるほど、今回の凸凹コンビさんは幻書を著す人を作り出そうとしていたワケか。アイラスさんほどに修羅な経験をしたものならば、きっと良い幻書が作れるに違いない、と。しかしその考えは若き日のヒューイさんにより…アイラスさんへの慈悲をもって消されてしまうと。戦争と不思議な能力により翻弄された男、っちうとこですが、願いの一つである「空を飛ぶこと」は叶ったし、もう一つの「詩を書くこと」も、その人生の軌跡が詩そのものであると言えなくもない。ま、この場合は詩でも小説でもなくアニメなのですが。


とまあアイラスさんの方はともかく、今回の話の裏方にして黒幕である書物コンビ「教授とラジエル」さんについてはほとんどなにも判らない。以前出てきた焚書官コンビに比べるともうちょっとカオティックな属性のようだが…って、次週最終話だからどっちみちどんな立ち位置なのか判らんままでしょうけれども。矢作声のラジエルさんは肯定否定にいちいちヤーとナインを使う、ってのはダリアンちゃんとの対比なのかしら。ドイツ生まれの方なのかしら。まいいや。


脚本に山賀博之のおっさ…社長。こういうちょっと青臭い、男のロマンっぽい話は得意なんだろうねえ。演出的に昨今の深夜アニメ的平均値なテイストになっちゃってたけど、この脚本ならもうちょっと尖った雰囲気にしてあげても良かったかしらね。ちうかホンマに蒼きウル、やるの? やってくれるの? やれ。


●夏目友人長 参・最終話。最後ってことで特に大きな事件もなく、悪辣な妖やら難儀している人も出ず、シメらしい全員集合のオールスターキャスト話。結局人間側のイヴェントは描写されなかったけれど、まあ…されたらされたで何かトラブルがらみのことになりそうだし、これでよろしっか。


一方の妖怪側。みんなで酒盛りしつつ影踏みするという他愛もないことやっちょるのだが、鬼役が追いかけると聞いて「なら捕まえたら喰っていいのね? いいのね?」となる辺りは流石に人外の面々である。喰っちゃダメよ。…しかしこのシーズンで出てきてないような妖も出てきてたりするのは懐かしい。今シーズンから見始めた人とかはよく判んなかったのではなかろうか…ってワシも結構忘れてたんですけどね。


そんなこんなで一応のシメ。数ヵ月後すぐに第4シーズンやるというアナウンスが入ったが…タイミング見ると続編決定というよりは元から分割二期だったっぽいね。とまれ、次シーズンも楽しみにしてます。


●総評…はまあ、次シーズン見てからにしようか。ちうかそない正面切って批評批判することもない、エエアニメだったっちうことで。ええ。