●TIGER & BUNNY・20話。マーベリック氏は記憶を操作するネクスト能力者であり、彼の暗躍によってコテツさんは不条理な窮地に陥ってしまう…というお話。うーん、どうだろ、残りの尺を考えると、このマーベリック氏が悪の首魁・ウロボロスなのかしら。どうも絶対悪とかラスボスとかいう雰囲気じゃないけどね。今んとこ判ってる目的が「ネクスト差別をはねのけてヒーローTVを成功させる」っちう、微妙に経済的要請の範囲内なシロモノであるせいかしら。
ま、それにしても、コテツさんの状況は非常にマズいものである。知己は彼の記憶を失い、世間的には卑しむべき殺人者とみなされて逃亡するするしかない。「孤独な戦いを強いられる不器用なヒーロー」…ふむ、浪花節だねえ。疑う要素が(彼の視点からは)無かったとは言え、物語的に判りやすいフラグをぜえんぶヘシ折ってマーベリックさんを助けちゃうこてっちゃんの姿にちょいと哀れみを感じたり。そういうお人よしキャラではあるのだけどね。にしても社長室のシーン、いかにも「ホンマは判ってますよ」っちう演出に見えて実際何にも判ってなくて単なる偶然でした、ってのは…ま、これもこてっちゃんらしいっちゃらしいか。
…あとはまあ、あの外見で甲斐々々しくバニーさんに料理を作ってあげてるマーベリックさんの姿に妙な萌えを感じてあげるべきか。なんかあれ、不思議なシーンやったなあ。親密さの表現としては別に手料理でなくてもエエんでない? いや、おもろいからエエけど。
●セイクリッドセブン・7話。OPED変更…ちうよりは、このタイミングで本チャンバージョンが出来上がったと見るのはダメですか。とりあえずOPの作画は一時も休まらない動きの洪水で実にサンライズらしく、よし。にしても、OPとEDの曲を入れ替えて心機一転とする、てな運用はちょっと珍しいような気がする。あんまし聞いたことないよねえ。
さて本編。攫われのお嬢様を追ってアルマさんやメガネさんが奮闘するのだが、略取者たるナイトさんから意外な告白を受け、彼らの心は疑念に乱れる…というね。まだ検討の余地は少々残ってはいるものの、ケンミ博士が悪を成す者であるのは割と確定っぽいようだ。…「敵かな? 味方かな?」っちうキャラが実はホンマに敵でした、という展開は案外レアかもしれない。いやまだ判りませんけどね? 仲間内ではやたらと言葉遣いが偽悪的な、ちょっと研究熱心な人たちってだけかもしれませんしね? …無いだろうなあ。
話はシンプルに構成し、見所を絞ってバンと提示するヤリクチは毎度ながらぶれないところ。今回ならば実にたっぷりと尺を取ったバトルシーンですな。人のシルエットから大きく外れた「0号」の動きとアクションが面白かった。カッチョエエよね。
●青の祓魔師・18話。子猫丸さんは悪魔に魅入られる。それに気付くのはまずリンさんなのであるが、当然ながらリンさんの「悪魔への攻撃」は誤解されてしまうワケだ。そうでなくても誤解されやすい状況のリンさん、さあどうする! とまあシチュエーションは「主人公の孤立化」一直線のお膳立てなんだけど、その辺は割とアッサリ解決しちゃうんですよね。悪魔がやることにしてはちょいとツメが甘い。ま、過度に重くしないのはこの作品のカラーなのではあるけれども。
リンさんの裏表のなさを評して、リュウジさんは「アイツには何もない」と表現する。そう、そのクリアさがリンさんの主人公的性格の一面である。言うまでもなくリンさんの過去は迫害と反抗の積層物なのだけれど、その鬱屈は現在、こと「対友人」の状況にあってはビックリするくらい「何もない」。親父の薫陶と影響の結果でもあろうし、またリンさん生来の主人公的単純さの賜物でもあろう。そのクリアぶりは周囲の悩めるキャラクタにとっての「鏡」として使われてるんすな。未熟な者は何かかんか悩んではリンさんの単純さを見て気付きを得る。今回であれば子猫丸さんは、リンさんの屈託のなさを見て自分の背負い込みすぎに気付く。つまりそういう主人公、ってこってすな。
十郎太先生とか結界の綻びとか、何やら不穏な要素はあちこちあるものの、その辺はおいおい展開してくることでしょう。今んとこはいいいや。まー十中八九メフィスト兄さんのシコミなんだろうしね。ちうかあのヘンテコハムスター、アマイモンですか? 楽しそうやな。