花咲くいろは/カイジ

花咲くいろは・16話。若旦那とコンサルさんの「新企画できるかな?」の巻、今回は喜翠荘を舞台としての映画撮影でどーよ、である。連れてきた斧アツシ声のプロデューサさんがもう、絵に描いて額に入れたような胡散臭さだったので何だこれ詐欺話? とか思ってたが、どうやら撮影機器やら女優さんやらが本格登場であって少なくともマジ撮影はするらしい。その割にラストのヒキの電話が気になるが…ってまあ、万事上手くいったらお話として成り立たんしねえ、この流れだとねえ。


詐欺にせよ「お話が違う」コースにせよ、それでもいくつか収束のための伏線は張ってあるようですな。過去に映研だったアホボンの述懐はちょっと情に来るものがあったりしたよ。この人、ずうっと「才能ある人の代役」な人生だったわけね。多分次回、何かのトラブルで撮影不可能になるンでしょうが、その時にアホボンが撮影の代役を…ってそれはちとファンタジィか? まあありえん話では無いけれど。…あとあの遠藤綾声の女優さんが、女将の所作に向けてた視線も伏線となりましょうか。どうでしょうかね。


ヒゲダルマな斧アツシPDはあれ、外見とかケータイの着メロがワルキューレの騎行だったりとかからしてコッポラが元ネタですかね。となるとますます映画完成に困難が見えますが。あと前回で何か吹っ切れた風だったユイナさんが、温泉宿の寄り合いでは相変わらずケータイいじりっぱなしでやる気ねーのはどういうこった。それ、不思議ちゃんじゃなくて単に失礼なお人っちう表現ですよ。


逆境無頼カイジ 破戒録篇・15話。いよいよカイジさん一派、「沼」へのリベンジである。がその前にもうちょっとシコミが必要…って、勝つためのシコミというレベルじゃないイヴェントを挟み込んでしまう辺りがこの作品ですよね。坂崎のおっちゃんは顔をボコボコにされ、カイジさんは手の爪全部に針を刺される、という…こういうのが「前座」として比較的サラリと描かれちゃうんだもんなあ。なんか、すげえわな。


その前座イヴェント、一条さんは早々におっちゃんの異変に気付いている。勝つのだという気迫や意志が見えない、というね。作画や演出上はあえてそういう抜いた表情等を見せず、視聴者どころか一条さんだけにしか判らせないというのは割と潔い。やはりこの兄ちゃん、帝愛の大きな施設を任せられているだけの能力はある人なのだ。…最後の最後で状況が見えないままに挑戦を受けてしまう、その感情的なところが弱点といえば弱点なのだろうか。ま、ここで完璧な敵を出されてもお話としては成立しませんからねえ。


最後の挑戦として「沼」に乗り込んでくるカイジさんのシーン、いかにもなBGMやレイアウトも相俟って非常に様式的な真打登場っぽい雰囲気でよし。あるいは大向こうから声がかかりそうなというか。うん、ここまでちゃんとテンポが制御されててよろしいな。エエ感じですよ。