レベルE/バクマン/ジャイキリ

レベルE・12話。バカ王子の弟と許婚がやってきたの巻。…って、王子の本名ってそのまんま「バカ」だったのか。弟がモハン、兄がバカ。なるへそ…ってまあ、それはともかく。まだまだ自由(≒悪行)を謳歌したい王子にとって、政略結婚して王家のヒエラルキーに収まるのはとにかく避けたい事態であるが、生真面目な弟さんとしてはそーいうワケにもいかない。てことで王子と弟君のおっかけっこの開始である…というお話。


ストーリーとしてはそういうとこなんだけど、このまんまの表面的な話では終わりそうに無い感じはするな。例えば一途で美人でちょっとぽんやり気味な婚約者(CV:中川しようこさん)であるが…何でしょう、予告見たらどうもそれだけじゃない不穏な雰囲気が感じられるのですが。ま、それは次回か。


バクマン。最終話。まあとりあえずの一区切り、ってことで連載決定の編集会議である。亜城木センセのお二人さんは何とかここで連載を勝ち取って、さてこれでやっとのスタートライン。こっからはプロとしての試練に苦労が待ち受ける…ってとこで次シーズンに続く。ま、良い段落話だったのではないでしょうかね。


前半部分はほとんど編集者による会議シーン、というあまり見たいことない絵面のお話ですな。ヴェテランだから尻すぼみにはならんだろうとかこれならメディアミックスやりやすいだろうとか若さゆえの経験不足は推理モノには向かないんじゃないかとか、どこまで現実の会議に即してるかはともかく、なかなか興味深い台詞が多くて面白かった。…ちょっと編集チョのゲンドウっぽいかっこよさが嘘くさくてアレですけどね。マジであんな人だったら、それはそれで面白いけど。


後半Bパートは若き漫画家たち各々の決意を見せつつ、サイコーとアズキを電話で喋らせてシメ。まァこんなとこでしょうな。過度に盛り上げすぎても次に繋がらないしね。


●総評…つってもこれ、多分そのうち二期やるよね。というより、途中に間隙を入れつつゆるゆると継続して制作する、そのためにNHKを選択したんだろうなって気もする。特にこのバクマンは、1クールで終わらせて「俺たちの挑戦はこれからだ!」でアニメ終わらせるには向かない作品でしょうしねえ。


全体的に抑え気味の、ちょっと地味な演出はこの局らしくもあるし、また「マンガ制作マンガ」というジャンルとしても合っているところだけど、でももう少しハッタリ効かせても良かったかなと思う。結構波乱万丈のストーリーのはずなのに、奇妙に各話の印象が似通っちゃってるしねえ。…途中の作画状況を見るだに、そんな大資本ブッ込んで作られてるとは思えないし、ここら辺の描写に落ち着いたってのが正直なところかもしれないが。ま、好みの問題ではある。


雑誌名こそ「ジャック」になったが、各作品のタイトルはそのまんま出してくることができたってのはこの局制作ならではのアドバンテージじゃよな。そこはちゃんと評価しておくべきだろう。ちゃんと「あ、あの作品と比較してんのか」と直感的にワカるってのは重要よね。


てことで…ま、二期が来たらたぶん継続するとは思います。で、あんまし感想も変わらないだろうなあ。あとぼくはミヨシさんがいいと思います。ちちとかだけじゃないが、でもちちとか含めて。


GIANT KILLING・最終話。赤崎のオリムピク代表とか王子のお休みとか黒田の後釜・亀井さんの苦心とか、もろもろの要素はあるけれど、ここで一旦のおしまいである。この辺の要素は多分第2シーズンへの布石として生かすってのも含んでのことなんでしょうな。いや、次があるならの話ですけれど、NHKだしそこら辺は割と鷹揚に対処してくれそうな感じはするか。


んでもって、今回のメインは何故かクラブ総出でのファン感謝カレーパーチー。相変わらず監督の思いつきには振り回されっぱなしの周囲(と視聴者)だが、総括的な話…選手もスタッフもファンも一体となってメシ喰ってるとこを指して「これがクラブだよ」とクサいこと言うタツミ監督…ってのは区切りとして適切ではあるな。ここで第1話の回想シーンを呼応させるってのもシメ要素として充分。とにかく楽しく行こうやないか。それこそがワシらのジャイアントキリングじゃーい! 続く。…っちうね。


赤崎の代表入りを素直に祝福した、と思ったら返す刀で「これで赤崎の枠一個開いたぞ! チャンス!」とやっちゃうタツミ監督がいつもどおりで可笑しかった。これでちゃんと、赤崎やそれ以外の選手たちへのハッパになってんのがこの人らしい。っちうかもう、選手一同この人の行動言動のパターンに染まってきてんのですな。無論、ワシら視聴者もね。


●総評。モーニング原作らしい、一見して地味でクセの強いサッカーアニメ。スポーツモノだが必殺シュートや超絶テクは…まあ、無いとは言わんがあくまで現実っぽいものに留まり、主役も選手ではなく監督というマネジメント視点のお話である。ま、あんまり超ヒットするタイプの作品やおまへんわな。案の定ちょっとかったるいところやダレ場もあったのは確か。


しかしまあ、そういうテンションのゆるみも作品のカラーとなっていたのは間違いない。地味な雰囲気も含め、NHKらしいアニメだったと思います。


以前もチラッと言うたけど、野球モノと比べて「ターン制バトル」っぽさや「タイマンバトル」っぽさに乏しく、ややもすればノベタラーっとした絵面になりがちなサッカーという題材、さらに上記の如く必殺技などの無い世界観。そんなハンデ(ってのは正確じゃないが)を抱えた上でこんだけエンタテイメントしてくれたら大したものだと思いますよ。


その上で、特に終盤の大阪ガンナーズ戦はかなり見所として上等だったっすねえ。ワシはちっともサッカーに詳しくないんだけど、それでも横溢する試合運びのアイデア、ディテイル、構築の流れなどはかなり面白かった。一旦の区切りとして「超攻撃的チームとの対戦」を持ってきたのは…まあ、原作からしてそうなのだろうけれど、うまいことハマったなって感じ。スパッと良い雰囲気でシメられたしね。


…ま、そのうち第2シーズンとかもやりそうだけどね。NHKだし。